狂わせた時計の針を戻す方法 (ページ17)

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｢ふーん、なんで本当のこと言わないの？｣

コーヒーをすすりながら、

そんなことを言う中島さん

｢目を見ればわかるよ、

君、何事にも興味ないって感じ｣

｢やりたいことをやれてる、って風には見えないし

けど、世渡り上手だよね

きっと、こういう時はこういう風に言っておけばいい、とか分かるんじゃない？

あと、器用に物事こなしちゃいそうだから、

周りから頑張ってるねって言われることに対して、違和感とか覚えたことない？

別に私、何も頑張ってないのにーって｣

とても失礼な人だな、と思ったけれど

何も言い返せなかった

当たっていたから。

勝利はよく、頑張りすぎなんじゃない？と心配してくる

出会った時にも、Aちゃんは頑張り屋さんなんだねと言われた

けど、私は人生で1度も頑張ったことなんて無い

それなりにやっていれば、全部できたから

高校受験も、国家試験の時だって

私は、努力なんてしなくても全部できた

運動も、勉強も、恋愛だって

頑張ったことなんて1度もない

普通にしていれば、人よりもできた

｢はは、その顔

図星って感じだね｣

コーヒーを飲み干す中島さんは、

屈託のない笑顔でこう言った

｢俺も同じだから、よく分かるよ｣

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