狂わせた時計の針を戻す方法 (ページ16)

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彼の経営の愚痴を聞きながら

アールグレイと紅茶を頂く

｢どう？味は問題ないでしょ？

結構自信作なの、｣

溜まっていた愚痴を吐ききったのか、

今度はメニューのこだわりについて話し始めた

それにしてもよく話す人だなあ、

初対面なのに、変わってるなあ

そんな風に思っていると、急に

｢で、君は何をやってる人なの？｣

そんな質問をしてきた

｢美容師です、新卒なんでまだアシスタントですけど｣

｢へー！すごいね！

ってことは20歳か、落ち着いてるから24くらいかと思ったよ｣

よく言われる、

落ち着いてるねとか、冷めてるねって

｢で、なんで美容師になろうと思ったの？｣

｢小さい頃から夢だったんです｣

美容師をやっていると、よく聞かれること

いつも、面倒くさくてそう答える

本当は、これと言った理由なんてない

オフィスワークは嫌だし、

大学にもそんなに興味がなかったから、

なんとなく、美容学校に入ることを選んだ

美容学校に入学したから、

自然と美容師になっただけ。

違う専門学校に行ったら、

きっと違う職業に就いていたとおもう。

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