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『そういやさ、トラファルガーってどんな人？』
チョココロネのビニールを剥がす際、手についた少量のチョコを舐め取りながら尋ねた。
「ん？トラ男くん？」
『そう。トラ男くん。
アンタら親しそうじゃん』
トラ男くん、もといトラファルガーは、基本的には彼をキャプテンと慕う仲間たちと一緒に居る。
だが、ナミとロビンも彼をトラ男くんと呼んでいる当たり、それなりに仲が良いのではないか？
「ん〜、トラ男くんか。
真面目で常識人ってところかしら。
ね、ロビン」
「ええ、ルフィと並ぶと一層際立つわね」
『…それはルフィが常識外れなだけでは？』
ああ、そういえばトラ男と呼び始めたのはルフィだったかもな、なんて思い出してみながら、私はチョココロネに齧り付く。
上から齧り付いたことによって、下に溜まっていたチョコが溢れだしてきたため、それが落ちないように食べる。それを交互に繰り返す。
…そもそも、どっちが上でどっちが下なんだって話だが。
『”トラ男くん”なんて呼び名、柄じゃねーだろうに、よくもまあ呼ばせてあげてるよね』
そもそも、普通の人なら恐ろしくて呼べないだろ。
「まあ、トラ男くんも人に変な呼び名付けるからね。
”〜屋”とか屋号つけて。ウソップなんて鼻屋よ」
『一体いつの時代の人だよ…。鼻屋は否定しないけど』
一体全体、どういった意図でそう呼んでいるのだ。彼なりの親しみやすい呼び方？いやないだろ。そもそも、人と親しくなりたいとか思うタイプじゃねーだろ。
『…じゃ、じゃあさ。なんか悪い噂とか無いの？
支配を広げるためにあーだこーだーとか』
「支配？」
しまった。スケールが大きくなりすぎたか？一体何を想像しての表情なのか、ロビンは恐ろしく神妙な顔で小首を傾げる。ロビンのことだ。きっと常人には理解できないことを考えているに違いない。
『いや、ほら！最悪の世代って言われてるくらいだし、何か派閥を作るのではないかと思って』
「派閥ねぇ……」
ナミは頬杖をつき、教室の真ん中で大勢に囲まれながら何かを話すルフィを見る。
「最悪の世代と言われても、そんな悪いものでは無いわよ。きっとね」
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作者名：あまちー | 作成日時：2022年9月19日 23時
