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「よお」
例のオイルターミナルにて、松田とAが合流した。
松田は呑気そうによう、と片手を振り、気難しい顔で壁に寄りかかるAに声をかける。
「…そういえば、お前はこの『萩原救出大作戦』の章は初登場か」
「あ?萩原…救……何?」
なんでもない、とAは言い切り、壁から背中を離す。
「で、お前だけなの?ゼロは一緒じゃねぇの?」
「ゼロは諸々あって警察署と病院に向かう。班長と合流するらしいから心配はないだろ」
「は?病院?
何があったんだよ!まさか怪我でもしたってか!?」
松田は血相を変え、吠える。先程までの気だるげな表情とは打って変わってだ。
「バカかお前。あのゴリラがちょっとやそっとで怪我するわけが無い。
さっきも殺し屋に銃を突きつけられ、爆発に巻き込まれたけど無傷だぞ」
「え、何?マジで何?どんな修羅歩んでんのお前ら」
「それは別にいい。大したことないから
」
「大したことあるぞ」
降谷=ゴリラということを否定しなかった松田は、素っ頓狂なAの冗談(全て事実)を聞いてまた気だるげな表情に戻る。が、次のAの言葉により固まった表情になる。
「例の事件の犯人と諸伏さんが撃たれた。幸いにも諸伏さんは無事であるが、犯人は残念なことに…」
「は!?次はヒロの旦那が何!?」
動揺した松田は、Aの肩を揺さぶる。Aは抵抗するでもなく、その手を離す訳でも無く、ただ松田にされるがままである。
「諸伏が撃たれただ…?てめぇ、さっきから度の越えた冗談ばかり言いやがって…タチが悪ぃ…!」
「お生憎だな。全て事実だが?」
「はあ?」
松田の怒りを煽るような言い方をするA。良くも悪くもこの2人の価値観は等しく、人間性も似た者同士だ。
であるため、彼らの会話はヒートアップして喧嘩になりやすい。ましては今日はストッパーなど居ないのに。
「よくもまあ、そんなすかした顔してられんなあ!目の前で諸伏が撃たれたのに!」
「別にすかしてないが?」
はあ?とまたもや声を荒らげる松田。
「…入院こそは要するだろうが諸伏さんは無事だ。だから離せ」
「…すまない」
松田はハッとした顔でAから手を離し、内心ホッとする。
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あまちー(プロフ) - いずみさん» ありがとうございます!キャラの濃い夢主ちゃん、かあいいですよね (2022年12月15日 5時) (レス) id: 49054d0acf (このIDを非表示/違反報告)
いずみ - 夢主好き (2022年11月13日 19時) (レス) id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
あまちー(プロフ) - 莉久さん» うわー😭嬉しいお言葉ありがとうございます!感情移入しにくい夢主かなって少し後悔してたんですけど、そう言っていただけると励みになります🙇♂️ご期待に添えるよう更新頑張ります💪 (2022年8月25日 16時) (レス) id: 49054d0acf (このIDを非表示/違反報告)
莉久 - めっちゃくちゃ面白くて、つい一気読みしちゃいました!夢主ちゃんの性格が大好きです!この事件がどう解決されるのか、恋愛は発展するのか……楽しみです!更新頑張ってください!!! (2022年8月24日 13時) (レス) @page5 id: 28e45e7c9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あまちー | 作成日時:2022年8月21日 22時