【名探偵コナン】未来が見える少女は警察学校組を救いたい 2

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傷がない？そんなはずは無いのだ。Aはさっき、確かに男の腹を撃っていた。男の腹に押し当てて撃ったのだ。外すわけがあるまい。

空砲だったのか？それだとしたら、男が腹を押えて痛みを感じているのはおかしい。

「…まさか…！？」

僕は右手のスマートフォンを即座にしまい、すぐさまその右手でAが手に持つそれを奪い取る。

この一連の行動がわかっていたのか、Aは抵抗することなく、すんなりこちらに受け渡した。

「…やっぱりな」

実銃よりも大幅に軽いそれを持って、僕は確信する。

「エアガンだったのかよ。無用な心配かけさせるなよ」

ホッと安堵した僕は、強く掴んでいたAの腕を離した。

「…あはは。いつ奪い返されちゃったんだろうね。確かにここに入れといたはずなのに」

困ったように眉を下げて笑うヒロは、ジャケットを翻してはエアガンが入っていたであろう場所をこちらに見せる。

「諸伏さんが私の足を掴んでいた時だ」

「超最初じゃん」

公安さえの意表を突く突飛な行動。恐れ入ったと素直に褒めてやりたいところだが、これに関してはヒロが鈍ちんだっただけかもしれない。

「おい、無傷なのは良かったが、結局こいつらどーすんだァ？」

班長はぶん伸びた男の頬をぺちぺちと叩き尋ねる。

「絶好のチャンスだ。ぶん伸びてるうちにリモコンだーなんだーを奪っておけ。
それとお前。お前はこっちだ」

Aは腰を抜かしたもう1人の犯人を見下ろし、親指で僕の車を指さした。

態度といいなんといい、やっていることが完全にマフィアだぞ、僕ら。Aは特にギャングだ。

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