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河井サイド
ギャアギャアと騒いでいる5人を横目に見ながら、買った本を見つめながら本屋のあの子のことを思い出す。
感じええ子やったなあ…
思った通りの子だった…
一ヶ月くらい前やったかなあ…いつも帰り道に前を通る本屋のウィンドーから、知らない子の姿が見えた。
ガラス越しに見える真剣な顔して本を取り扱ってる横顔を見だだけなのに、なんだか頭から離れなくなった。
その日から毎日本屋の前を通るときはその子の姿を探して、見つけたときは嬉しくなって、いなかったときはちょっとだけ残念になって…
まさか自分が一目惚れするような人間だとは思っていなかった。
そのあと、何日も外から眺めるだけの日が続いて、昨日やっと、店主さんもいない、バイトもいなくてあの子だけがいる時をみはからって、勇気を出して本屋のドアを開けた。
しばらく奥からあの子が出てくるのを待ちながら本を眺めていたら、予想外のことが起こった。
心夢ちゃん…?とかいう子供っぽいバイトが帰ってきて、騒ぎ出した。
正直『どっか行け!』と思ってしまった。何にもしてへんのに。
けど、最終的にはあの子と二人きりなれて、話せて、あの子が好きな物を今手に持ててるからよかったけど。
あっ、…そういえば名前、聞くの忘れてたな…
なんかバイトの子が奥でなんかやらかして、そんまま様子見に行ってもうたしなぁ…
店主さんが言ってるの聞いて、苗字が『相楽』っていうのはわかったけど、名前まではなあ…
今度行くときはバイトの子がおらんときに行こう。うん。そうしよう。
「ゆずる、助けて!どうにかして」
「んん?それは無理やな」
羽交い締めにされてる賢ちゃんに、ニヤニヤしながら言った。
「なんで!?だいたいゆずるが変なこと言ったからこうなったんやろ!」
「早く白状せんかい!」
「そうやで!何があったんや!!」
「襲ったんとちゃぁう?」
「そこら変どうなんですかあ〜?川西さぁ〜ん?」
「お前っ…」
「賢ちゃん、頑張ってなあ。俺、ちょっと用事思い出したから」
そう言って読みかけの本を持って、楽屋のドアに向かう。
「ゆずる、ほんまに助けて!」
背後で助けを求められたが無視。
さあ、ここから離れた静かな所で、続きを読もう。
読み終わったら、相楽さんに感想、言いに行こ。
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雅(プロフ) - 修学旅行ハプニングあったみたいですか、楽しめて良かったですね!!私も田舎に住んでるから、東京行ったら確実に迷子になっちゃう(笑)テストもお疲れ様でした! (2019年6月20日 22時) (レス) id: ff8c7fad23 (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - 雅さん» 受験生といってもまだ6月なんで、全然更新していけると思います!また、お話楽しく描いていきますね^_^ (2019年6月20日 22時) (レス) id: abcbda1e9b (このIDを非表示/違反報告)
雅(プロフ) - いつも読ませていただいてます!受験生大変ですよね。無理せず、暇なときに更新してくださいね。 (2019年6月3日 21時) (レス) id: ff8c7fad23 (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - 大丈夫ですかー(笑)でも楽しみながら読んでもらえてるようで、嬉しい限りです^_^ (2019年5月19日 13時) (レス) id: abcbda1e9b (このIDを非表示/違反報告)
あやかちん(プロフ) - やぁぁっちゃった///ふぅぁぁぁ!!((テンションおかしい (2019年5月19日 11時) (レス) id: 34fff6315e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さら | 作成日時:2019年4月16日 21時