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「Aさんって彼氏いないんですか?」
心夢ちゃんと一緒に本の整理をしていたら、その話は唐突に始まった。
「えっ?」
女子というものは、その類の話がやはり好きなのか。
ましてや心夢ちゃんみたいなタイプの子は、余計好なのだろう。
「います?」
目をキラキラさせながら本の整理の手を止めて、私を見てくる。
「彼氏なんていないよお。まぁ、好きな人はいるけどね」
彼氏いない、好きな人いないで話を終わらせるのはなんだかつまんないと思い言ってみた。
「好きな人!どんな人ですか!?」
予想してた以上に食いついてきて、持ってた本を投げそうになっている。
…もうちょっと丁寧に扱ってよ。
「心夢ちゃん、落ち着いて」
本を持ってない方の手で押さえる感じのジェスチャーをする。
「はい、」
返事をすると、心夢ちゃんは手に持っていた本を近くに置いた。
よしよし、偉い。
「そうだなあ、私の好きな人はすっごく良い人で、優しくて、面白いの」
なんだか自分から言ったのに恥ずかしくなって、照れてるのを誤魔化すかのように、作業のスピードが速くなる。
「へぇ…Aさんが好きな人なんやから、絶対素敵な人なんやろうな…ちなみに、芸能人で言ったら誰に似てます?」
「うーん…お笑い芸人の和牛の川西さん」
「川西さん!川西さんかっこええから、絶対その人もかっこいいですね!」
まぁ、似てるというか本人なんだけどね。
「そういう心夢ちゃんはどうなの?」
「へっ!」
「彼氏とか好きな人、いないの?」
すると心夢ちゃんは分かりやすく頰を赤らめた。
「…彼氏います」
もうほっぺたは真っ赤で。
「どんな子?」
「高校の時同じクラスだった人…」
可愛いすぎる…
「いいなぁ、幸せだねえ…私もこんな青春時代、お送りたかった」
「もう、からかわないでください!」
心夢ちゃんがポカポカと私の腕を叩いてくる。
「ちょっと、やめてよー。本落としちゃうじゃない」
「Aさんが悪いんです!」
「心夢ちゃんから話振ってきたじゃない」
「でも〜」
「二人とも!!」
「「はっ、はい!」」
後ろを振り返ると、中本さんが立っていた。
「楽しく話すのはいいけど、今は仕事中だよ。話の続きは本の整理が終わってから」
「すみません、」
「ごめんなさい!」
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雅(プロフ) - 修学旅行ハプニングあったみたいですか、楽しめて良かったですね!!私も田舎に住んでるから、東京行ったら確実に迷子になっちゃう(笑)テストもお疲れ様でした! (2019年6月20日 22時) (レス) id: ff8c7fad23 (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - 雅さん» 受験生といってもまだ6月なんで、全然更新していけると思います!また、お話楽しく描いていきますね^_^ (2019年6月20日 22時) (レス) id: abcbda1e9b (このIDを非表示/違反報告)
雅(プロフ) - いつも読ませていただいてます!受験生大変ですよね。無理せず、暇なときに更新してくださいね。 (2019年6月3日 21時) (レス) id: ff8c7fad23 (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - 大丈夫ですかー(笑)でも楽しみながら読んでもらえてるようで、嬉しい限りです^_^ (2019年5月19日 13時) (レス) id: abcbda1e9b (このIDを非表示/違反報告)
あやかちん(プロフ) - やぁぁっちゃった///ふぅぁぁぁ!!((テンションおかしい (2019年5月19日 11時) (レス) id: 34fff6315e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さら | 作成日時:2019年4月16日 21時