ギュッとして！

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「なんで…」



「電話から帰ってきた後と前、なんか違うなぁって思うてん」



「…」



「よかったら、喋ってくれへん？」



…この人だったら、全てを話してもいいかもしれない。



今日初めて会った人だというのに、なぜかそう思えた。



そう思わせてくれたのは、川西さんは雰囲気がとても柔らかい人だからなのかもしれない。



「実は…」



気づいたら、全てを話していた。



上司に仕事のミスをなすりつけられたこと。
課長がすぐに怒って怒鳴ること。
職場の雰囲気がとても悪いこと。
最近仕事にやりがいを感じてないこと。
夜遅くまで毎日残業してること。



たくさんのことを川西さんは何も言わずに聞いてくれた。



途中で話ながら泣きそうになったが、ここで泣いたらダメだと、必死にこらえた。



「ありがとうございます。こんな話聞いてくださって…ちょっと楽になれた気がします」



「…泣いてもええよ」



…この人、超能力者なんじゃないかってくらい、私の心の中をいとも簡単に見抜いてくる。



本当に、泣いてもいいの？



川西さんの顔を見ると「ええよ」って言ってくれてるようだった。



もうたまらなくなって、他に人がいるというのに声を上げて泣いた。

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