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「やっと気付いてくれたんやな」
川西さんが私の隣に座り、笑いながら言った。
「あっ、本当に全然知らなくて…真奈美に聞いてたのに分からなくて。和牛食べたいなんて言って…本当にすみませんでし『ガン!』
痛い…またぶつけた…
「A、大丈夫!?」
「Aちゃん、大丈夫か!?」
「奥から氷取ってこようか?」
ああ…
「はははっ!」
みんなが心配してくれている中、川西さんは一人爆笑。
「賢志郎、何笑っとんねん!」
もう恥ずかしい…
「Aちゃん、おでこ大丈夫そう?」
「大丈夫です…よくぶつけるんで」
「やっぱAちゃんは意外と抜けてるなあ」
「…やめてくださいよぉ…」
「もうA、びっくりさせないでよねー」
真奈美は私が大丈夫だということがわかったら、すぐに水田さんとの会話に戻っていった。
「まだ笑ってるんですか…」
「ごめんなあ、もう笑うのやめるわ」
そう言いながらも一切笑い終わる気がしない。
「川西さん!もういいです。私ママと話します。ねえママ、聞いて」
「ん?なになに?」
「こないだ私ね、最近できた神戸のものすっごく大きいショッピングモールまで買い物行ったんです」
横から笑い声がしなくなる。
不思議に思って川西さんの方を見ると、いっさい笑っていなかった。
驚きすぎて川西さんの方を見たまま固まってしまった。
「Aちゃん、それってこないだの土曜日の話やんね」
「えっ…どうしてわかったんですか?」
私誰にも言ってないけど。
「そんとき仕事で来ててん」
…あ。
「そういえばエスカレーター降りているときにテレビカメラ、見ました」
嘘、あのテレビカメラがまさか川西さんを映してたなんて…
「誰と来てたん?」
「一人です」
「ほんま?」
「そうですよ。買い物終わって帰ろうとしたときに、テレビカメラを見たんです」
川西さんはしばらく何かを考えていた。
「…なんだ」
「え?」
「てっきりデートかと思ったわぁ!」
デ、デートぉ!?
「なんか見てはいけないものを見てしもうてた気がしとってん。ずっとひっかかっとったんよ。そうか一人で買い物してたんかぁ」
「はあ…」
「そうか、そうか。で、何買ったん?」
「ええっと…服とか日用品とかです」
「そうなんやあ」
え、何なの…?さっきの川西さんは?
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さら(プロフ) - ありがとうございます!これからもちょくちょく更新していきたいと思ってますので、楽しみに待っててください^_^ (2019年9月20日 7時) (レス) id: abcbda1e9b (このIDを非表示/違反報告)
ハンナ(プロフ) - 一気読みしてしまいました!面白くて、何だかあったかい気持ちに。更新楽しみにしてます。 (2019年9月19日 1時) (レス) id: 9d1b7de85f (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - 黄色パーナさん» コメント、ありがとうございます!毎日更新というわけにはいかないですが、これからも頑張って書いていきますので、よろしくお願いします。 (2019年4月14日 9時) (レス) id: abcbda1e9b (このIDを非表示/違反報告)
黄色パーナ - 愛読しています!更新楽しみにしています(*^▽^*) (2019年4月14日 7時) (レス) id: ceaebda915 (このIDを非表示/違反報告)
あやかちん(プロフ) - さらさん» なるほど……そんなことが… (2019年4月9日 22時) (レス) id: 34fff6315e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さら | 作成日時:2019年3月24日 23時