ギュッとして！

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夜６時、私は三越さんのお店、『スナック粉雪』に向かった。



お店の前に着くともうお客さんがいるようで、賑やかな笑い声が聞こえてきた。



スナックなんて普段行かないから、ちょっと緊張しながらドアに手をかけた。



『カランコロン♪』



「いらっしゃい！あっ、Aちゃん！」



それにしても今日は金曜日ということもあるからだろう。凄い繁盛していた。



「Aちゃん！こっちこっち」



「はい」



三越さんに案内された席に座ると、綺麗な色のお酒が出された。



「はい、これ、ウエルカムドリンク」



そう進められて一口飲む。すると、甘い香りが広がった。



「美味しい…」



「ふふっ、ありがとう」



三越さんが満足そうに微笑む。



「ママ〜、これと一緒のおかわり！」



「はいはーい、今いきまーす！Aちゃん、賢ちゃんはもうちょっとでくるから、待っててね」



「はい」



しばらく一人で飲む。それにしてもこのお酒、ほんとに美味しい…



『カランコロン♪』



「いらっしゃい！賢ちゃん、待ってたわよ！」



賢ちゃんという言葉に反応して振り向くと、優しそうな人がこちらに向かって歩いて来ていた。



その人は私を見ると軽く会釈をして、人当たりのいい笑顔で笑った。

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