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外に出た途端、冷たい風が頰をかすめた。
「もう、夜は寒いなあ」
「そうですね。もう10月ですもんね…」
「相楽さん、家どこなの?」
「えっと、ここからそんな遠くないですよ。歩いても20分くらいで着きます」
「ふーん、あっち方面?」
「はい」
「じゃあ、一緒に歩いて帰ろう」
「えっ!?」
何で!?
「そんな驚くことやないやろ〜、一緒に帰ろうや」
「家、私のとこから近いんですか…?」
「いや、むしろ逆方向やけど」
「じゃあ何で」
「ええやん、僕が送りたいねん。譲らんでえ〜」
「えっ、それ私の!」
「さあ、行こ行こ!」
「ええ〜」
結局川西さんのペースに乗せられて、一緒に私の家まで歩いて送ってもらうことになった。
確実に川西さん、酔ってるよ。
「こうやってたまには歩いて家に帰るのもええなあ」
「いやいや、川西さんの家あっちですからね」
川西さんと二人きりで、夜道を歩く。
まだ20分川西さんと一緒にいれることに、ちょっとばかり嬉しいと思っている自分もいた。
けど、楽しい時間はあっという間で。気づけばもう、私が住んでるマンションが見えてきている。
「ほんとに今日はありがとうございました。とっても楽しかったです」
「僕も、相楽さんと飲むの楽しかったで」
「また…仕事の話とか聞いてもらっていいですか?」
「おう、もちろん!僕に出来る事なら、なんでもするで〜!」
「ふふっ、頼もしいですね」
「任せてや!」
「川西さんって、やっぱり面白い方ですね」
ふふふっ、
「……」
…あれ?私なんか変な事言った?
「…ちなみになんやけど、相楽さんって、僕が何の仕事してるか知ってる?」
急になんで仕事の話…
「知りませんけど…」
「あっ、知らんかったらええねん。ごめんなぁ、変な事聞いて」
「いえ、そんな事ないですけど…」
なんだったんだろ?
「じゃあ、また今度会おうな。おやすみ」
「おやすみなさい」
川西さんの姿が見えなくなるまで、外で見送った。
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さら(プロフ) - ありがとうございます!これからもちょくちょく更新していきたいと思ってますので、楽しみに待っててください^_^ (2019年9月20日 7時) (レス) id: abcbda1e9b (このIDを非表示/違反報告)
ハンナ(プロフ) - 一気読みしてしまいました!面白くて、何だかあったかい気持ちに。更新楽しみにしてます。 (2019年9月19日 1時) (レス) id: 9d1b7de85f (このIDを非表示/違反報告)
さら(プロフ) - 黄色パーナさん» コメント、ありがとうございます!毎日更新というわけにはいかないですが、これからも頑張って書いていきますので、よろしくお願いします。 (2019年4月14日 9時) (レス) id: abcbda1e9b (このIDを非表示/違反報告)
黄色パーナ - 愛読しています!更新楽しみにしています(*^▽^*) (2019年4月14日 7時) (レス) id: ceaebda915 (このIDを非表示/違反報告)
あやかちん(プロフ) - さらさん» なるほど……そんなことが… (2019年4月9日 22時) (レス) id: 34fff6315e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さら | 作成日時:2019年3月24日 23時