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＊
そう、私は、目の前で困っている人をわけもなく助けたり、朗らかに笑っているあなたを好きになったわけで
つまり、なんて言うか、ジェノ先輩に変わってほしいわけではなかったんだ。
ただ、子供みたいに拗ねる私を、こんなにワガママな私を宥めて欲しかったんだ…と今なら分かる。
「 独占欲っていうの？最高だけどな」
「 言葉だけなら…最初だけなら全部いいですよ。でもすぐ面倒くさくなるんです」
「 …Aも？」
「 え？…いや私は多分、それとなく、独占欲強いタイプです。そんな風に見えないだけで」
口下手で、顔にも出ないから淡白なタイプだと思われているだろうけど
実際には一度私に石を投げた人も、手を差し伸べた人も墓まで忘れない自信がある。
つまり執念深いということだ。
「 そっか、じゃあ問題なさそうだね。僕、かなり独占欲強いからさ」
いやそれはよく分からないけど。
「 …Aがもう一回僕を好きになってもらえるように頑張るの、許してくれる？」
「 はあ…もうお好きにどうぞ」
私の言葉を聞くとにっこり笑った先輩に急に手を取られる。
咄嗟に肩が強張る。
心臓はありえなくらい鼓動を早めて、ただ先輩を見つめた。
何かと思えば、自分のポケットから温かくなり始めたカイロを握らされた。
こんなことでも、いちいちドラマみたいになるのがムカつくと言うか、流石というか。
「 早く僕のことまた好きになりますようにっていう呪いつきだよ」
「 いや怖い怖い…ていうか、なりませんからもう、絶対に」
「 へえ…絶対なの？」
いちいち顔近いな。
「 いくら顔が良くても、ない…です」
「 ほんとAってまるで男を分かってないなぁ…」
「 へ？」
にっこりと笑った先輩が私の手をそのままぎゅっと両手で握った。
眼差しは、私を射抜くみたいに真っ直ぐで、優しくて。
私が好きなあの笑顔を、少し意地悪そうに浮かべる。
「 たとえ目を閉じていても、僕を選んでもらえるように頑張るね？」
fin.
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waka(プロフ) - 一気に読んでしまった！続きが気になる😆💕💕💕 (2022年11月18日 16時) (
レス) @page39 id: 192bfaab8b (このIDを非表示/違反報告)
名無し87778号(プロフ) - キュンキュンしまくってます(*ﾟ∀ﾟ*) (2022年11月8日 22時) (レス) @page28 id: fec6041023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：屋敷 | 作成日時：2022年11月3日 4時
