45.ココアとカーテンコールと ページ45
JN side
僕は君がどれだけ善であるかも、その周りにいる人間も同じように善人であることを知っていた。
かくなる上は、僕も同じく善人である必要がある。
君がそうでなくとも良かったとしても、僕が嫌だったから。
真っ白なデイジーのように綺麗な心を持った君の隣に立つ人間が、外側だけでも取り繕えない傲慢な人間であることは耐えられなかった。
だから、君の前では普段はしないことも進んでした。
これまで不必要だったことが、必要なことへと変わったのだ。
そのうちの一つが、まさに他人への配慮や親切だった。
君の笑顔が見たかった。
ただそれだけだったのだ。
あの頃、君に好かれようと必死だったことがまさか裏目に出ていたなんて。
「 何度も言うけれど、僕の前にたまたまいたのが君なわけじゃなくて、君の傍が心地良いから僕がAの近くに居たいんだよ」
Aが僕と同じ熱量で想ってくれるなんて最初から思っていなかった。
どんな日も傍にいられたなら、
美味しそうに食べているそれを一口だけくれるなら。
そしてその全ての唯一になれたなら
僕にとってそれ以上の幸せはなかった。
だって僕の方が好きだと分かっていたから。
君がしたくないことは全てしなくていい、僕はただ待つことが正解だって。傍にいさえすればいいって思っていた。
だから、君の心が少しずつ俯いていたことに気が付けなかった。
「 A、臆病だった僕をどうか許さないで」
手を握ってしまいたい。
そんな気持ちをぐっと抑えて拳を握る。
その資格は今の僕にはない。
君は表情を変えることなく、低い温度のまま僕を見ていた。
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waka(プロフ) - 一気に読んでしまった！続きが気になる😆💕💕💕 (2022年11月18日 16時) (
レス) @page39 id: 192bfaab8b (このIDを非表示/違反報告)
名無し87778号(プロフ) - キュンキュンしまくってます(*ﾟ∀ﾟ*) (2022年11月8日 22時) (レス) @page28 id: fec6041023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：屋敷 | 作成日時：2022年11月3日 4時
