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「なにー。早く食べたいんだけどー」
「さっきの話だけど」

今このタイミングで掘り返すか…?!

「俺のきたやま、の件だけど」

この言葉で俺の身体はがっちがちに固まってしまった。

「うん…」
「そんな緊張しないでよ。あれさ、あんま気にしなくていいよ」

なんだよそれ。

お前のその発言のせいで俺がどんだけ悩んだと思ってんだ。

その言葉に多少なりとも舞い上がっていたのに、次に会ったときに変なこと言ってごめんとか言われた俺の気持ち分かるか?

わかんねーだろうなお前は。

「ふざけんじゃねーよ」
「ごめん…」
「お前が!! あの発言をしたせいで!! その言葉に振り回された俺の気持ちにもなってみろ!!」
「へ?」
「俺の片想いだってのは分かってんだよ!! 期待させんじゃねえ!!!」


「えと…」

目を極限まで見開く藤ヶ谷を視界の端に認めたところで我に返った。

「あ、いや、えっと、その、」
「そんなこと言われたらこっちが期待しちゃうじゃん」


え?


気が付いたときには藤ヶ谷の腕の中にいた。

「きたやま、好きだよ。俺のきたやまになってくれたら良いと思ってる。でも無理強いはしない。俺のことが気持ち悪かったら突き飛ばして。突き飛ばされても、俺は今まで通りきたやまの良い同僚でいるから」

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作者名:谷山 | 作成日時:2018年10月7日 19時

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