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え。
返答間違ってたんかこれ。
こんな軽いノリで話しちゃいけなかったんかな、、
「あのさ、」
藤ヶ谷は眉間に皺を寄せていた。
「俺がなんで呆れてるか分かる?」
「えと…」
「俺、きたやまが好きそうな店見つけたって言ったでしょ。その店が肉専門店じゃないなんてことある? バカなの?」
…え!!!!!
「肉食べれんの?!?!?!」
「きたやまを連れてくんだから当たり前でしょ。すげえ美味いから期待してて」
「行く!!!」
「はいはい、そんな目輝かせなくても」
俺は肉にはしゃぎすぎて、そのあとどうやって会社に来たかあんまり覚えてない。
藤ヶ谷によると、2人で電車に乗って来ようとして駅まで行ったのはいいのだが、藤ヶ谷が普段使わないSuicaを鞄から取り出すのに時間がかかり、その間に俺が藤ヶ谷を置いて先に行っちゃったらしい。
ほんとあり得ない、と昼休みに嫌みったらしく言われた。
それに関しては俺も、美味しい肉を食べれると聞いただけでテンション上がって大好きな藤ヶ谷を置いてっちゃうのはどうかと反省した。
決して藤ヶ谷より肉のほうが上とかそういうわけじゃない。…うん。
ついでに言うと、昼休憩になった瞬間に藤ヶ谷の背後からタックルをかまし、藤ヶ谷の「おい!」という声を無視して先にカツ丼を食べていたら、これでもかというほど呆れられた。
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作者名:谷山 | 作成日時:2018年10月7日 19時