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「2人でさ、背中合わせてさ、2人で踏ん張り合って、2人で最高のパフォーマンスしようよ。REAL ME やって、この2人はやっぱすげえって、見せ付けてやろうよ」
誰に見せ付けるんだよ、とは言えなかった。代わりに目元が滲んでいく。
「そう…だな」
それだけ口に出すと、藤ヶ谷はふふふ、と笑った。
「俺さ、北山のこと遠ざけたのには理由があって、」
そうだよあれなんだったんだよ。その理由とやらを早く聞かせろ。俺が原因なら直すから。
「あのね、俺ね、北山のこと好きだったんだ」
……は?
「ごめんね。俺、北山のこと、本当に好きで、でもこの気持ち知られて気持ち悪いって思われるの嫌だったし、北山の隣にいると好きが溢れちゃって、だから北山から離れたの」
「好きでいるのやめようとして、頑張って気持ちに鍵かけて、北山の30歳の誕生日のときに好きでいるのを終わりにした」
藤ヶ谷は続ける。
「けどね、まあいろいろきっかけがあって、また北山のこと好きでいることにしました」
「はあ……」
突然のことすぎて頭が回らない。つまり、こいつは、俺のこと、好き、なのか。。
コーヒーのことも、俺のこと好きで、俺のこと見てたから、知っていたのか。
「これからさ、俺、北山にアピールしてくと思うけど、よろしくね?」
そう言って藤ヶ谷は微笑み、俺の頭をくしゃ、と撫でた。くそ、なんなんだこのイケメンは。顔も中身もかっこよすぎるだろ。
やばい、お前のせいでなんだか変な気持ちになってきちゃったじゃんか。俺今絶対顔が赤い。
「ま、期待してるわ」
って何言ってんだ俺。
−Fin−
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作者名:谷山 | 作成日時:2018年9月15日 13時