甘いに香りに誘われて skab ページ9
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ab side
今日も寒かったなー、なんて思いながらシャワーを浴びる。
あ、なんかボディソープ変わってる。
そういえば昨日佐久間が「新しいのにしといたよー」って言ってた気がするなぁ。
ボーっとそんなことを思い出しながらボディスポンジに出してみれば、途端に香ってくるはちみつの匂い。
ab「うわぁ、いい匂い」
泡立てながら思わずその甘い香りに鼻を寄せる。
ちょっとテンション上がるかも、なんてウキウキしていたら、遠くから佐久間が帰ってきた声が聞こえた気がした。
お風呂場まで聞こえるなんて元気だなーなんて思っていたら、どうやら俺のことを呼んでいるらしいその声は、次第に近づいてきている。
え?と思ったときには、浴室のドアが勢いよく開いて、なぜか少し息を切らした佐久間がそこには立っていた。
ab「ちょっ、何!?」
いつもは流石にお風呂場にまで乱入してくることはないから、体を少し縮こめて警戒する。
sk「阿部ちゃん!なんで1人でお風呂入ってんの!」
ab「は?別にいつも1人で入ってるじゃん」
sk「今日は一緒に入ろうって、昨日約束したじゃん!」
え?そんなこと言われたっけ?
てかそもそもそんなこと言われても普段ならオッケーしないんだけどな、と思いながら、ちょっと考えていると、佐久間が俺の手元に目線を移して「え、もう体洗っちゃった?」と慌てたように聞いてくる。
ab「ん?あぁ、今泡立てたとこだからこれからだけど…」
sk「ちょっと待ってて!すぐ脱ぐ!」
俺の言葉を最後まで聞かずに一旦閉まった浴室のドア。
あまりの勢いに驚いて思考が停止していたら、あっという間に服を脱いだ佐久間が浴室に入ってきた。
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作者名:violet | 作成日時:2023年11月17日 18時