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あまりにも気にされないから、俺からも仕掛けてみようと悪戯心が湧いた。




fk「これ食べ終わったらさ、ベッド行く?」


色目を使って誘うように照に問いかける。




iw「いや、着替えて出かけよ」


渾身の色目も効果無く、俺の誘いに全く乗ってこなかった照。

多少なりともそーゆー気持ちになってくれるかななんて期待してた俺を他所に、ここ行きたいから付き合って。と調べていたのであろうスマホの画面を見せられた。




fk「…ゲーセン?」


iw「久しぶりにやりたくない?UFOキャッチャー。」


照からの思いもよらない提案にテンションが上がる。




fk「いいじゃん。いっちょやったりますか!」


勢いよく立ち上がった俺を見て、照もテーブルの上を片付け始めた。


照はそのまま皿を持ってキッチンに向かった。






自分の皿も洗ってもらおうと後を追って隣に並ぶと、耳元に寄せられた唇。


iw「ベッドは夜ね。」




お返しと言わんばかりに囁かれたそれに、ばっと隣を見れば、一枚上手な恋人は悪戯に笑っている。




fk「お、おまえ…///」


iw「ふふっ、かわいー」


言葉にならない感情で、口だけがぱくぱくと動いてしまった俺を見た照がそんなことを言うから、更に顔が熱くなる。




一方の照は「ん?」なんて首を傾げてて、その余裕そうな表情がなんかもうカッコいいし腹が立ってきた。


ちくしょう。覚えてろよ。

夜はその余裕そうな顔を崩してやるからな。


ぐちゃぐちゃの感情のまま謎の覚悟を決めて着替えに向かった俺の後ろ姿を、蕩けそうなくらい優しい目で見ていたなんて、このときの俺はつゆ知らず。










帰ってきてから沈められたベッドでも「かわいいね」なんて甘やかされて、照からの刺激にただただ感じることしかできなかった。








向かい合ったベッドの中。

ほとんど閉じそうな目をなんとか開けて照を見てみる。




目が合えば微笑んでくれて。

まぁ、こんなに甘い視線をこんなに近くで見れるのは俺だけだし。

かわいいって言われるのも悪くねーのかも、なんて思うのはきっと頭が働かないせいだ。




結局のところ、こいつが幸せそうならなんでもいーや。


気だるい体を布団に潜り込ませて、隣の体温に身を寄せた。



Fin.

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作者名:violet | 作成日時:2023年11月17日 18時

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