- ページ5
.
リビングのドアが閉まる音で、ハッと我に返った。
nb「…やば、なんだよあれ」
熱くなった顔を手で覆えば、さっきの雄の表情が思い出される。
nb「…かっこいいんだけど///」
思わず呟いてしまった言葉と脳裏に焼き付いて消えない阿部の表情。
その続きを求めて寝室に足を踏み入れてしまう自分に嫌気が差す。
きっともうすぐ寝室に来る阿部は、ベッドに座っている俺を見て、いい子だねとでも言って笑うんだろう。
そして俺を押し倒すその表情は、あざといなんて言葉はどこにも見当たらなくて。
見つめられた視線で動けない俺に聞くんだろう。
しょーたは、どんな俺が好きなの?って。
わかってやってるくせに。
ファンに向ける男らしい一面を遥かに超えた、俺だけに向ける雄の阿部が好きだと。
だからこそ言いたくないという思いは、きっとあっという間に打ち砕かれるんだろう。
ただひたすらに阿部を求める自分が容易く想像できてしまって、一つため息をついた。
リビングから聞こえる足音。
開く寝室のドア。
きれいに微笑まれた表情の先は、俺の想像通りに進む。
Fin.
134人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:violet | 作成日時:2023年11月17日 18時