【ONEPIECE】JEWEL (ページ3)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:7,753 hit

灰色の四角い空の下ページ3

・

ポートガス・D・エース 10歳
コルボ山にて

ｴｰｽ｢…ﾁｯ。雨が降りそうだ｣

空を見上げれば、分厚い雲の層。
今にも雨が降りそうだ。

木の太枝に登り、幹に背を預ける。

ｴｰｽ｢チンピラから巻き上げた金もイマイチ。
今日はサボの勝ちだな｣

今日はツイてないと不貞腐れる。

しかしそれも束の間。
思いがけない事に思考が停止する。

ｴｰｽ｢＿＿＿＿＿は？｣

目の前で起こる出来事に目を疑った。

それもそうだ。
目の前に一人の女性が舞い降りて来たのだ。

ｴｰｽ｢だ…誰だお前っ！！？｣

反射的に飛び起きて、武器を突き出す。

女はエースの立つ太枝に羽根の様に着地する。
足は素足だった。

ゴミ山に住む、
貧乏人かと思ったが身なりが綺麗すぎる。
それに、見た目は貴族のお嬢様だ。

いや、それ以前に普通の人間では無い。
背中に真っ白な羽が生えている。

この汚いゴミ山には全く似つかわしく無い姿だ。

何者だと、
様々な考察が頭の中で行き交う中女と目が合う。

『初めまして。ポートガス・D・エース君』

喋った＿＿＿！！

ｴｰｽ｢何で俺の名前を知ってんだよ…！！｣

『当たり前だよ。私は貴方を担当する天使だから』

＿＿＿＿＿は？担当？天使？

何を言っているんだと、冷や汗が流れる。

『天使が人に姿を見せる事は、
生きているうちは中々無い事なんだ。

でも、神様が貴方は可哀想な子だからって
私が下界に降りるように使命が下されたの』

ｴｰｽ｢…っ！！何が可哀想だ！！巫山戯んな！｣

この場から追い出す様に、只管に武器を振り回す。

『？。どうして怒っているの？』

ｴｰｽ｢消えろ！！｣

天使は首を傾げる。

喜怒哀楽。
それらは天使達にとっては理解出来ない事。

『今日はご挨拶だけって言われてるの。
だから、また来るね』

手を振ると、羽を広げ再び空へ飛び立つ

ｴｰｽ｢二度と来るな！！！｣

空へ旅立つ女に、
エースは力一杯叫んだ。

・