_3 ページ5
・
『…居ない?』
彼女の住むアパートに訪れたものの、
ノックをしても誰も出て来なかった。
その様子を見ていた大家さんから、
少し前から誰も帰って来ていないと伝えられた。
大家「多分、夜逃げよ。
この前は取立て業者みたいな人も来てたし…」
『夜逃げ…。家族全員共?』
大家「そこまでは分からないけど、
娘さんの姿も見てないからそうだと思うわよ。
あまり関わらない方がいいわ」
大家さんは話が終わると、早々に部屋に戻って行く。
『…晴香』
もう一度、彼女に電話を掛けるが
やはり電話に出ない。
丑嶋「あんた、この部屋になんか用?」
突然、背後から話しかけられる。
振り返ると柄の悪い人が数人立っていた。
『…どちら様ですか?』
丑嶋「あんたには関係ねェ。用が無いならどきな」
こちらの質問に一切答えない気だ。
Aは黙ってその場を後にし、アパートの塀から出る。
先程大家さんが、
取立て業者らしき人物が来たと言っていた。
借金は返済したと言っていたが、
もしかするとまだ返しきれていない可能性が高い。
彼女に教えている携帯とは別に、
もう一つの携帯で、彼女に電話をかける。
《池澤「…はい。池澤です」》
______繋がった。
『…晴香。私、Aだけど』
《池澤「A…!?」》
『どこに居るの?
家に来たけど誰も居なかった』
《池澤「…ごめん。何も言わなくて」》
『…晴香、まだ借金返せて無いの?』
《池澤「…お父さんがした借金は
Aが貸してくれたお金で返済したの。
でも…また、追加で借金しちゃってて」》
呆れた。
懲りずにまた借金をしたらしい。
『取立て業者がとか聞いたけど…
まさか、闇金相手に借金したの?』
《池澤「…うん」》
先程、すれ違ったのは恐らく借した人達だ。
『両親は?』
《池澤「何処に居るか分からない」》
どうやら
連帯保証人として娘に借金が回った…
そんな事だろう。
自分の子供に責任を擦り付けて逃亡した様だ。
79人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しおらん(プロフ) - 凄くいいです!更新頑張ってください!! (2022年3月23日 19時) (レス) @page11 id: d42d8a020d (このIDを非表示/違反報告)
せいら(プロフ) - 最近ウシジマくんにハマっていてドラマと映画全て観てここまで辿り着いたんですが内容が面白くて楽しませてもらってます…!これからも更新頑張ってください(*^^*) (2021年8月26日 23時) (レス) id: b7079ff06e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ニワトリ | 作成日時:2021年5月6日 2時