棘の女王。 (ページ17)

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正直者の罪ページ17

さくら「ただいまー…」

未だに住み慣れることの出来ないアパートの一室のドアを開ける。

入った瞬間香るお酒の匂い。

ママはあの離婚以来お酒を沢山飲むようになってしまった。

にしても今日は一段と匂いがすごいな。

さくら「ママただいま……って、どんだけ飲んでるの？！」

部屋に入ると、大量に転がっている空き缶。

も～、と言いつつ片付けていると「ねぇ、さくらぁ？」とママが話しかけてきた。

お酒を飲んでるのか、舌っ足らずな声だ。

さくら「何？どうかした？」

すると自嘲気味に笑ったママ。

ママ「パパのね、浮気相手さ。白城璃梨なんだって。」

ガッシャーーーーーーーーーーンｯｯｯｯ！！

さくら「え……」

ママ「ね？さくらも知ってるはずでしょ？小学校の時から一緒の白城結望ちゃんのお母さんよ。」

聞いた瞬間、今日の朝の出来事が蘇る。

"新しいパパが来るんだ～"

"お母さん、再婚したの！！"

ふざけないで……なんであなたは笑っていられるの。

どうして私のものを取っていくの？

冷たい憎しみと悲しみの雫がとどめなく流れていく＿＿＿＿＿＿。

もう、、私は声すらも出なかった。