棘の女王。 (ページ11)

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過去の淡想ページ11

小学生6年生。春の公園。泣いてた女の子。
ピンクのランドセル。そしてお姫様というワード。

ガクガクと足が震えて床に座り込んだ。

さくら「……そ、んなことあるんだ。」

唯一そのキーワードで思い浮かぶ人物がいる。

おそらく菊池くんが見たのは、お遊戯会で主役が取れなくて悔しくて泣いてた私。

あの日、泣いてた私は、その男の子にお姫様と言われて花冠を載せてもらったのが嬉しくてずっとその子とよく遊んでた。

その子を「ふーちゃん」と呼んで。

その男の子は、しばらくしていなくなったけど私はその子をずっと探してた。

その子に出会った時にその子のお姫様になれるように。

なのに…まさかその男の子が菊池くんだなんて。

さくら「ははっ……そんなミラクル起きるんだね……」

こんな地味で友達のいない子が菊池くんがずっと探してた子だなんて知ったらどうなるんだろ。

菊池くんのリアクションを想像してはブンブンと首を振る。

絶対言っちゃダメだ。菊池くんから遠ざかっちゃう。

沢山悩んだ上に私は、せめて菊池くんの思い出の品だけでも探し出そうと部屋を出た。

ガッシャーーーーンｯｯ

？「なんなの？！？！なんでこんなことしたの？！」