まだいたんですか、仮面男 ページ40
…ふと目が覚めた時には、自分が眠りについた時とは違う場所にいた
「(……どっかで見たな、この景色…)」
横になったまま、まだ覚醒していない頭を働かせる
「(…あ、ここ弔くんの部屋か。運んでくれたのかな)」
見覚えがあるのは、前に知らない間に連れ去られた時も、目覚めてすぐ視界に入ったのがこの景色だったからだ
「(相変わらず汚い部屋…)」
一つ、あの時と違うと言えば、隣に弔君が寝ていないという事だけ
まだバーの方にいるのかな
―――
「…おや、起きましたか」
扉を開けると、黒霧さんがこちらに気づいた
「すみません、寝ちゃったみたいで…お水貰えますか」
「構いませんよ」
「起きたのか」
「うん、弔くんがベッドまで運んでくれたの？」
「ああ」
「そっか、ありがと」
私はカウンター席の丁度真ん中に座る
バーの中はとても静かで、先程の騒がしさが嘘のよう…他の敵連合はどうやら帰ったみたいだが、
「仮面…えーと……コンプレックスさんまだいたんですか」
「惜しい、Mr.コンプレスだ。今日は何も予定がないからね。こうしてゆっくり酒が飲めるわけだよ」
そう言って、仮面男改めコンプレスさんは仮面を少しずらして酒を口に含む
仮面取ればいいのに、と思いつつ、黒霧さんが出してくれた水を飲む
「…あれから他の生徒や先生には手を出していないんですよね」
私は少し強めの口調で問う
「ああ、もちろんさ。君が抵抗せずに大人しくついてきてくれたからね」
「…そうですか、ならいいです」
少しホッとした
なら皆はとっくに合宿を切り上げて家に着いてるかな
「……ねえ、そういえば私のスマホ見つからないんだけど」
「ああ、塵にした」
「…は？」
「お前が大人しくついてきたからと言って、イレイザーや他の奴らに助けを求めないとは限らないからな…念の為ってやつだよ」
「…んん、まじか」
連絡手段だけじゃなくて暇つぶしとしてもスマホは必要なんだけど…
弔くんは現代っ子がスマホ無しじゃ居られない事を知らないのかな？
「それじゃあ、そろそろ俺はお暇(いとま)させてもらうぜ。また連絡くれ」
「ああ」
コンプレスさんはバーの扉を開け、夜の闇に消えていった
「A、俺たちも部屋に戻ろう」
「あ、うん…黒霧さんお水ありがとうございました」
「はい」
弔くんが私の腕を引っ張って歩き出すので、慌てて黒霧さんにお礼を言って薄暗い店内を出た
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柊(プロフ) - 小説読みました！！！ 面白かったです！更新頑張ってください！！ (2020年3月3日 11時) (
レス) id: 9cb1ed3aee (このIDを非表示/違反報告)
音無春奈(プロフ) - 今日一から見直しましたがやっぱり最高ですね！相澤先生と少しずつ打ち解け合う様子が微笑ましいし、甘えた夢主ちゃんもすごいかわいいです笑 またいつか更新を楽しみにしています。いつも楽しい時間をありがとうございます(^O^) (2019年1月17日 22時) (レス) id: 82b0340df7 (このIDを非表示/違反報告)
鎖国(プロフ) - ひろおにさん» コメント有難うございます。最近なかなか忙しく思うように更新が出来ていないんですが、ご期待に添えるようなるべく早く最新話を更新したい所存です…！ (2017年11月26日 19時) (レス) id: 5af2d7ebb1 (このIDを非表示/違反報告)
ひろおに(プロフ) - めっちゃ面白いです！更新待ってます！ (2017年11月26日 12時) (レス) id: b8fe268e11 (このIDを非表示/違反報告)
鎖国(プロフ) - Reoさん» コメント有難うございます。夢主少し冷めた所があるので、相澤先生の前では我儘で相澤先生を振り回してるといいな…と思ったのですが好印象だったようで良かったです‥！ (2017年10月22日 19時) (レス) id: 5af2d7ebb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鎖国 | 作成日時：2017年10月7日 23時
