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(スニョン)
事務所の練習室で個人練習をして、宿舎に返ろうと部屋を出たら、隣の部屋からAが出てきた。
「あ、ホシさん。」
お疲れ様です、と彼女が微笑む。
「A、帰るの?」
「はい。」
猫のような目を細めて笑うのが、なんだかジスヒョンにも似ているような気がした。
「送ってく。」
「いいですよ、近いですから。」
「いいから。」
彼女の肩にかかった荷物を半ば強引に(←)奪い取り、歩き出すと
少し笑ったような音がして「ありがとうございます」と彼女が隣で歩き出した。
「家どの辺?」
「○○の方です。」
「全然近くねーし!」
「だからいいですよって言ったんですよ〜」
「遠いんだから危ないだろ。」
そういうと、彼女は一瞬黙った。
「...ありがとうございます。ホシさん。」
少し照れくさそうに微笑む顔が、だいぶかわいくてドキリとした。
「俺と同い年なのに先生なの?」
「先生っていうか私はバイトなんですよ。まだ、大学に通ってますしね。」
「大学生なの?ていうか、日本人でしょ?」
「はい、そうですよ。今は留学中で...大学の近くの日本語学校でアルバイトしていたら、こちらの事務所に声をかけていただいたんですよ。」
なんとびっくり、留学生なんだ。
「いつ帰るの?」
「あと1年後くらいですかね?」
そういう彼女の横顔を見ると、なんだかさみしい気持ちが浮かんで不思議だった。
彼女の家は事務所から歩いて20分ほどのところだった。
「昨日、ウォヌに会ったの?」
「え?ああ、ウォヌさんとミンギュさんに会いましたよ。分からないところがあるから教えてほしいって連絡があったので。」
なにそれ、ずるい。と言いかけて口を閉じる。
なにがずるい?
「俺、Aのクッキーすごく好き。」
「そうですか?よかったです。」
なんだか彼女ばかり余裕があるみたいですごく悔しい。
「俺にも連絡先教えて。」
「え?」
「俺だってわかんないとこ聞きたい。」
そういうと、カトクのIDを教えてくれた。
「今日はありがとうございました。あ、そうだ。」
マンションの一室に駆け込んだ彼女はすぐに戻ってきて
「みんなには内緒ですよ。」
そういって俺に差し出した小さな紙袋からは、チョコチップクッキーの甘い匂いがした。
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鋳柘 - スニョンとドギョミは親友と言うよりは年が違うので兄弟ですし、ドギョミはスニョンに敬語を使いますよ。 (2018年10月19日 20時) (レス) id: 16c2882a48 (このIDを非表示/違反報告)
ジナ(プロフ) - 志保さん» 志保さま、スニョンペンさんにそういっていただけて本当にありがたいです^^励みになります!ゆっくりになってしまいますが、更新がんばります^^ありがとうございます! (2015年10月16日 22時) (レス) id: d2ae460245 (このIDを非表示/違反報告)
ジナ(プロフ) - ぱく さらんさん» ぱくさらん様、暖かい言葉ありがとうございます(泣)週に2,3回もできないようなときもありますけど..がんばります^^ありがとうございます! (2015年10月16日 22時) (レス) id: d2ae460245 (このIDを非表示/違反報告)
ジナ(プロフ) - みゆきさん» コメントありがとうございます!とても遅くなってしまって申し訳ないです(泣)ゆっくりですががんばります、ありがとうございます^^ (2015年10月16日 21時) (レス) id: d2ae460245 (このIDを非表示/違反報告)
志保(プロフ) - 元々スニョンペンなんですけどこの小説読んでさらにスニョンが好きになりました!!すごく私のツボにハマります!大好きです!ヾ(@⌒ー⌒@)ノこれからも更新頑張ってください! (2015年10月11日 19時) (レス) id: 67a82fd094 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ジナ | 作成日時:2015年9月23日 15時