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(A)
「父さん、賛成はしないよ。」
父の言葉に、ぐっと体が重くなる。
「今は留学だけど、もしあちらに就職するとなると、もっと大変になるだろう。」
父が私を、ゆっくりと見据えながら諭すように話した。
「父さんも母さんも、決してお前が嫌いだとか、そういう意味で言ってるんじゃないってことは、わかるよね。」
「うん。」
「心配なんだよ、今回の1年間みたいに、『楽しい』だけで終われるものばかりじゃないってことは、自分でも理解してるだろう。」
怒るわけでもなく、ただ穏やかに、父の言葉が耳に入った。
「でも、やりたい。」
それだけ、はっきり短く言うと、父がﾋｭっと息を呑む。
「社会は、思ってるより苦しいし、重いよ。ましてやそれが、自分の母国じゃないならなおさらだよ。それでもいいの？」
母が、さぐるような視線をよこすから、「いい」と短く返した。
しばらく、沈黙が続いた。
「じゃあ」
父の言葉に、沈黙が途切れて、私と母が同時に、父を見た。
「残り1年、留学に行って、それでも気持ちが変わらなければ、戻ってきて試験を受けてみなさい。」
思わず顔を上げる。
「ただし、やるって言ったからには、やりたいなら最後までちゃんとやりなさい。やりたくないと思ったら、全部やめて日本に戻ってきなさい。」
いいね、と父が私に念を押すように言った。
「はい。」
そう返事をすると、母も「もう何も言わないわ。」と少し微笑んだ。
リビングを出て、自分の部屋に上がろうとすると、兄に呼び止められた。
「お前、本当にあっちに住むの？」
「うん、そうしたい。」
そういうと、兄は「そうか」とだけ告げた。
「なあ、明後日暇？」
「ん？まあ特に予定はないよ。」
そういうと、兄は少し悩むように押し黙って、私に告げた。
「紹介したい人がいるんだ。両親に。でもその前に、お前に会ってみてほしい。」
真剣な目をした兄に、ｺｸﾘとうなずき返した。
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鋳柘 - スニョンとドギョミは親友と言うよりは年が違うので兄弟ですし、ドギョミはスニョンに敬語を使いますよ。 (2018年10月19日 20時) (
レス) id: 16c2882a48 (このIDを非表示/違反報告)
ジナ(プロフ) - 志保さん» 志保さま、スニョンペンさんにそういっていただけて本当にありがたいです＾＾励みになります！ゆっくりになってしまいますが、更新がんばります＾＾ありがとうございます！ (2015年10月16日 22時) (レス) id: d2ae460245 (このIDを非表示/違反報告)
ジナ(プロフ) - ぱく さらんさん» ぱくさらん様、暖かい言葉ありがとうございます（泣）週に2，3回もできないようなときもありますけど..がんばります＾＾ありがとうございます！ (2015年10月16日 22時) (レス) id: d2ae460245 (このIDを非表示/違反報告)
ジナ(プロフ) - みゆきさん» ｺﾒﾝﾄありがとうございます！とても遅くなってしまって申し訳ないです（泣）ゆっくりですががんばります、ありがとうございます＾＾ (2015年10月16日 21時) (レス) id: d2ae460245 (このIDを非表示/違反報告)
志保(プロフ) - 元々スニョンペンなんですけどこの小説読んでさらにスニョンが好きになりました！！すごく私のツボにハマります！大好きです！ヾ(＠⌒ー⌒＠)ノこれからも更新頑張ってください！ (2015年10月11日 19時) (レス) id: 67a82fd094 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジナ | 作成日時：2015年9月23日 15時
