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(A)
約1年ぶりに飛行機に乗り日本に帰った。
留学してから連絡もまともにしていなかったけど、両親は私を空港まで迎えに来てくれた。
「おかえり、韓国どうだった?」
「ちゃんと勉強してるの?」
車に乗って、両親はニコニコと、私が口を開くのを待った。
「うん、楽しいよ。」
そうとだけ言うと、満足げに車を走らせた。
実家につくと、兄が私を出迎えた。
「よ。久しぶり。」
「久しぶり。」
我が家は4人家族。
両親と兄、そして私だ。
家族の仲は悪くない。むしろいい方だ。
「A、少し痩せたんじゃないの、ちゃんと食べてる?」
「食べてるよ。」
「まだ戻ってこないつもりなの?」
「あと1年は少なくとも、勉強したい。」
そういうと、「そう..」とさみしそうな顔をした母に、どうしようもなく申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「父さん、母さん。話があるんだけど。」
私がそういうと、両親はお互いに目配せした。
分かっていたんだと思う、私がただの里帰りをしにきたわけではないと。
両親がリビングのテーブルの、私の前に並んで座った。
ゴクリ、息を呑む。
‐Aならできるよ、大丈夫。
スニョンの言葉を思い出すと、ほっと胸が落ち着いた。
「私、韓国でやりたいことができた。」
そういうと、両親が息を呑みこんだ。
「何がやりたいの?」
「日本語の先生に、なりたい。」
私が言うと、両親は顔を見合わせた。
「それは、日本じゃダメなのか?」
父親の質問に、コクリとうなずいた。
それから私は何も隠さないで話した。
今働いている事務所のこと、そこで出会った輝く人たち。
その輝く人たちが裏で努力をしている姿を、本当に心から応援したいと思ったこと。
そしてありがたくもそのチャンスを得られそうなこと。
そのためにしっかり勉強をしたいこと。
すべて話終えると、両親は少し難しい顔をした。
「変わったわね。」
不意にそんなことを言い出す母親。
「Aが、私たちにそうやって、自分のやりたいことを話すなんて。」
「成長だな。」
父親が、ふとつぶやいた。
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鋳柘 - スニョンとドギョミは親友と言うよりは年が違うので兄弟ですし、ドギョミはスニョンに敬語を使いますよ。 (2018年10月19日 20時) (レス) id: 16c2882a48 (このIDを非表示/違反報告)
ジナ(プロフ) - 志保さん» 志保さま、スニョンペンさんにそういっていただけて本当にありがたいです^^励みになります!ゆっくりになってしまいますが、更新がんばります^^ありがとうございます! (2015年10月16日 22時) (レス) id: d2ae460245 (このIDを非表示/違反報告)
ジナ(プロフ) - ぱく さらんさん» ぱくさらん様、暖かい言葉ありがとうございます(泣)週に2,3回もできないようなときもありますけど..がんばります^^ありがとうございます! (2015年10月16日 22時) (レス) id: d2ae460245 (このIDを非表示/違反報告)
ジナ(プロフ) - みゆきさん» コメントありがとうございます!とても遅くなってしまって申し訳ないです(泣)ゆっくりですががんばります、ありがとうございます^^ (2015年10月16日 21時) (レス) id: d2ae460245 (このIDを非表示/違反報告)
志保(プロフ) - 元々スニョンペンなんですけどこの小説読んでさらにスニョンが好きになりました!!すごく私のツボにハマります!大好きです!ヾ(@⌒ー⌒@)ノこれからも更新頑張ってください! (2015年10月11日 19時) (レス) id: 67a82fd094 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ジナ | 作成日時:2015年9月23日 15時