IF！防弾少年団が先生だったら！ (ページ9)

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引く手ページ9

「そういえば、最近部活のとある奴がやけにやる気出しててよー練習にもすげー積極的に参加してて」
「へえ、そうなんですか」
「なんか分かんねーけど、試合出たら応援に来てくれるからとかなんとか」
「ふうん、彼女でも来てくれるんですかね」
「俺だけを応援してくれるんです！って自慢されたから、多分そうなんだろうな」

昼食時。
カップラーメンを作りに給湯室へ入ろうとしたら、二人の先生の話し声がした。
見れば、女バスの顧問と男バスの顧問の先生だった。

「お疲れ様でーす」

そう言って、入室すれば「おう」「ん、おつかれ」と返事が返ってくる。
この挨拶の瞬発力。流石、体育部顧問。

「いいですねえ、彼女の応援ですか。羨ましいですわあ」

そう言えば、「ああ、聞いてたの？」と女バス顧問が笑った。

「誰だか分かんないけど、試合出れるように頑張って欲しいですねー！・・・今の所、どうなんですか？」
「もう一押しあればって感じ。まだ、一年っつー懸念があるが、実力は申し分ないんだ。二・三年に劣らずってくらい」
「ふうん・・・一年ねえ・・・」

誰かしら。彼女持ちの男バス一年って。
今度、ジョングク辺りに探りを入れてみようかしら。

「私も彼氏ほしーです」

ぽつりと言えば二人に苦笑された。

「A先生なら大丈夫ですよ」
「引く手数多でしょ、先生は」

そうなの？
本人初耳なんだけど。

「えーお世辞なんて言ってもカップラーメンはあげませんよ？」
「いや、いらない」
「大丈夫」
「え？」

2人はじゃあね、と言うと私の横をさっさと通り過ぎて行ってしまった。
一体なんだったんだ、今のは。

不思議に思いながらもカップラーメンを作る。
と、後ろで足音がした。

「んげ、A先生だ・・・」

ジミン先生だ。

「んげって何なんです？うげって」
「いやすみません。つい」
「ついって何よ、ついって！全然言い訳になってないじゃない！」

えいっと後ろ脚を軽くければ、ジミンは大げさに痛い振りをし出した。
ほんと子供っぽいわね、この人。

「ジミン先生もカップラーメン作りに来たんですか？」
「そうですね。でも、これ僕のじゃなくてテヒョンのです」
「テヒョン先生？」
「テスト制作に苦しまれていたんで、慰めにと思いまして」

ええ。なんて優しいの。ジミン先生！！
と感動しながら彼の手元をよく見てみれば、目立つように大きく書かれた「激辛」の文字。

ぴしり、と体が固まる。
そんな私を見て、ジミン先生がにやりと笑った。

「かつ入れです。必要でしょう？」
「お、おほほ・・・」

デビルだ。
この男・・・可愛い顔したデビルだ。