タイプ ページ8
テヒョンがソクジンに聞きに行ってる間、暇だったので私達三人はソクジンのタイプの予想を立てることにした。
「ソクジン先生王子様みたいだし、きっとお姫様みたいにピュアで勇敢な人がタイプだと思う!」
「そんな人それこそおとぎ話にしかいないでしょ・・・」
「つまりソクジン先生のタイプは二次元だということですか?」
ナムジュンが馬鹿真面目にそう言うので、思わず爆笑してしまった。
ソクジンがオタク!なんて面白いギャップなんだろう!
「ナムジュンくんの案に一票!」
「流石ナムジュンくん!」
「え、あ、ありがとうございます?」
この子はもしかしたら逸材かもしれない。
「つかぬことをお聞きしますが、先生達って彼氏とかいらっしゃるんですか?」
「いない」
「我が人生に男なし」
「えっ過去にもですか?」
ナムジュンが何故か驚いたように私を見た。
悪かったわね。という言葉をぐっとこらえてへらへら笑ってみる。
顔が良いモテ男ナムジュンとは違って地味な学生だったからねえ私。
男の影、これ一切なかったんだよなあ。
「意外です」
「でしょー、私も思った」
アユンが私を見てそう言った。
「A先生、絶対居ると思ってたもん」
「そういうのいいから」
「ホントに!思ってたんだから!」
アユン先生はちなみに過去にダンディーな外国人男性とお付き合いしていたそう。
別れた理由は教えてくれなかったが、留学中に一目惚れしてアユン先生が猛アタックした末に付き合ったんだそう。流石が過ぎる。
「あ、どうでした?テヒョン先生」
しばらく話をしていたら、テヒョンが戻ってきたので私は手を上げて声を掛けた。
テヒョンは私を見ると少し困ったような表情をした。
どうしたんだろう。
「ソクジン先生、なんて言ってました?」
「んー」
じっと目を見られる。
そのまま押し黙られるので、私は首をひねった。
「もしかして何かトラブルでもあったんですか?」
アユン先生の助け舟。
テヒョンはいやーと首を横に振った。
「教えてもらったよ」
「え!ほんとですか!」
ナムジュンが声を上げた。
「まあ、うん、取りあえず当ててみてよ。絶対当たんないから」
「当てて?うーん・・・優しい人とか?」
「美女、美女」
「よく笑う人ですか?」
テヒョンは「あ、ナムジュン惜しい」と言った。
「正解は、笑い方が独特な人」
「・・・へ?」
「だから、笑い方が独特な人なんだって」
なんだそれは。
「不思議な先生ですね」
ナムジュンの呟きでこの場は終了した。
本当によく分からない先生だ。ソクジンという男は。
その後、学校中から多種多様の笑い方が聞こえたのは言うまでもなかった。
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作者名:卍 | 作成日時:2023年6月24日 10時