302号室 ページ5
一旦自分の病室にリンゴを置きに戻るとそこにはお父さんがいた。
「あ、見つけた。」
お父さんはベッドから身を起こすと泉の手元にある袋の中をのぞいて目を輝かせる。
「リンゴじゃないかっ!」
お父さんは果物が大好きで特にリンゴが好きみたい。誕生日はケーキじゃなくてアップルパイにするくらいね。
「コレ私がもらったんだからあげないよ。」
袋を後ろに隠すとお父さんの顔が急に険しくなった
「まさか、例の男か。」
例の男?
「泉、人間界のものとは結婚できないんだぞ!知ってるよな、なのに何でアイツと仲良くしてるんだ!!!!!!」
アイツって?
「片寄涼太だっけ?とにかくダメだ!まだ早いぞ」
何言ってんのコイツは。
泉は冷めた目でお父さんを見る。
「そんなんじゃないって。それより私用事があるから。」
リンゴを置いてそそくさと出ようとすると
「待ちなさい。さてはデートだな!」
お父さんは変な事を言い出した。
いつ、誰と、どこで、デートするんだよっ!
私は今日、一人で、302号室へ行くんだよ。
「たとえ法律が変わっても人間界の者とー。」
「お父さん、うるさい。」
いい加減にしないと本気で怒るよ?と脅しをたすとあっけなく黙った。
はぁ
「私今から今回の件の調査へ行くの。邪魔しないでくれる?」
「今回の件って魔界が関わってるっていう?」
お母さんから話すを聞いたのね、なら話は早い
「それじゃ。」
病室を出て302号室へ向かおうとするとお父さんがついてきた。
「人が多い方がいいだろう?」
ん、まぁね。
拒絶せずに一緒に向かう。
いい情報が収穫できますよーに!
******
302号室についた。
軽くノックするが返事はない。
ゆっくりとドアを開ける。
中には簡易なベッドにイス、棚にトイレ用の部屋があって、ベッドのそばにあるグリーンのカーテンは完全にしめられていた。
簡易なベッドには男の人が眠っており、心拍数は正常らしい。
しっかし、天野カレンに似てるね。
鼻と口が。
目はお母さんに似ているのかな?
「意識不明なんだろ?どうすんだ?」
お父さんは天野達也の顔を覗き込んで聞いてきた。
「さぁ?とにかく来てみただけ。」
やっぱり無理なのかな。
諦めて帰ろうとするとお父さんが止めた。
「彼は魔法をかけられている。」
突然の言葉に理解できなかった。
マホウガカカラレテイル?
「相手の攻撃が体に大ダメージを受けて魔法が自動的にかけられてしまったようだ。」
5人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ザン(プロフ) - かなとさん» 外しました。 (2019年8月17日 2時) (レス) id: 8e20d05d05 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年8月15日 16時) (レス) id: ba1b78c8bf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ザン | 作成日時:2019年8月15日 16時