森の見習い魔女2 (ページ36)

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水晶玉2 ページ36

誰かの声がしたかと思って振り返る。

しかし、誰もいない。

とうとう幻聴が聞こえるようになったのか。

そんなことより、、、おじいちゃん。

(幻聴でもなんでもないですわ。)

全身の体温がぐんと下がった。

どこにもいないのに、声が聞こえる！？

何！？！？

まさか、、魔界人？

杖をとって周囲を見回す。

「だ、、っ、、、誰！？な、、何の用なの。おじいちゃんを殺したのもあなたね、、で、、、出てきなさいよ。」

(バッカじゃないの？はぁ、、、変な人と主従関係になっちゃった。)

は、、、はぁ？

私と主従関係を結んだのはヘンリー先生とラテだけよ。他の人となんて結んでないっ！

(何言ってんの？結んだじゃない。)

、、、この人私の心の中を読んでる！？

冷や汗が出る。

これが、、魔界人、、。

(いや、だから勝手に解釈しないでもらえます？)

頭に響くような声でその人は言った。

(いいから黙って。私がリリー様のおじ様を助けてあげる、、と言ってもすぐに終わるけどね。)

そに人が話し終えた途端自分の体が淡い金色の光を放った。

驚きで目を見張る。

さぁぁぁ

金色の粉がおじいちゃんに舞い降りるとおじいちゃんはゆっくりと目を見開いた。

しかしそのままグタッとなる。

「ちょ、、！余計グタッてなてますよ？どういうこと。」

(眠ってるだけよ。見ればわかるでしょう。)

近寄って耳をそばたてる。

確かに寝息が聞こえるわ。

なんだか申し訳なくなって、俯く。

「あなた何者なの。」

(最初から聞いておけばいい話なのに。)

その人は呆れたように笑った。

(私はさっきリリー様の体に埋め込まれた、、、ううん、、、憑依させられた水晶玉です。)

え、、！

私は自分の腕を見る。

ここに、、、？

腕へ耳を近づける。

(私の声は頭に響かれる、つまりテレパシーよ。だからリリー様の腕から声は聞こえない。周囲にバレることもない。リリー様が命令しない限り。)

なるほど。

(私のこと不気味に思わない？水晶玉が喋るのよ)

「うーん、全く。規格外には慣れちゃったし、喋る椅子があるくらいなんだから水晶玉もあってもいいかなって。」

水晶玉はくすりと笑うと、話し出した。

(私は魔術具の神から生み出された魔術具の妖精。自分の能力にあった魔術具に憑依するのが生きがいなの。)

どういう生きがいなのよ。

私には分からない妖精の事情ね。

(ある日私は魔術士と神の共同創作の魔術具に憑依でき、、、そしてやっと！、、、なのに。)

悲しそうな声で言った。

「危険だって言われた。」