信じます ページ32
「二人ともお互いに大事に思っているんですね。」
片寄くんはハッとこちらを見上げる。
でも、すぐに視線を逸らしました。
「アイツは、俺らなんかどうでもいいんだよ。」
「本当にそう思っているの。」
私は不機嫌そうに眉を寄せた。
片寄くんは慌てて手を振る。
「あ、、、いや、、、。」
私が怒って不登校になるのが困るんでしょ。
私はさらに不機嫌になった。
「片寄くんってそんな人だったっけ?」
腰に手を当てて片寄くんを見下ろす。
「片寄くんは本気で森林さんが私達を捨てるような子だって思ってるの?最低だね。」
片寄くんは呆然と固まる。
ちょっと言いすぎたのかな?
でも、仕方ないですよね。
だって私を守るって言ってくれた森林さんが悪人だなんて信じられないもん。
「私は森林さんを信じます。森林さんが私達を生け贄のように扱ってるなんて本気で思っているの!?だったら、いろいろおかしいでしょう!」
片寄くんはキュッと口を引きむすんだ。
「私は森林さんの協力をするつもり。」
ピシッと言って私は片寄くんの前に座った。
こうやって二人でいるのは去年の夏以来だったからなんか緊張してきました。
その反面懐かしくて純粋なあの頃に戻りたいなって悲しく思ってしまいます。
「オレ、、、。」
片寄くんは膝を抱えた。
「自分が役立たずだから魔力を持っているマリンを必要とする森林にいらっとしたのかもしれない。」
片寄くんは俯いた。
その表情は読み取れませんでした。
「なんの役にもたてない自分が悔しくて八つ当たりした。魔力が欲しい。その魔力を持っているマリンにも嫉妬した。」
こちらを見た片寄くんの目は本気でした。
でも、何もしてきません。
私はなんだか申し訳なくなりました。
「マリンは悪くない。なんか最近イライラしてて多分思春期だと思うな。」
思春期ですか、、、反抗期ですね。
「ごめん、明日、森林に謝る。オレらで仲間をもう一回組み直して森林を助けてあげようぜ!」
そう言う片寄くんはとてもカッコよく見えました。
しかし、私達の決意は虚しく森林さんは学校にきませんでした。
次の日も、、、その次の日も。
******
母視点
あの日、帰ってきたリリーはびしょ濡れだった。
片寄くんと何をしてびしょ濡れになったのかしらと首を傾げつつ乾燥魔法をかけた。
びしょ濡れに注目してて気づかなかったがリリーの顔は若干暗かった。
一体何があったのかしら。
もしかしてまた奴が来たのかしら。
不安に駆られる。
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ザン(プロフ) - かなとさん» 外しました。 (2019年8月17日 2時) (レス) id: 8e20d05d05 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年8月15日 16時) (レス) id: ba1b78c8bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ザン | 作成日時:2019年8月15日 16時