森の見習い魔女2 (ページ30)

今日:9 hit、昨日:5 hit、合計:1,341 hit

守りたいページ30

取引と聞いてマリンちゃんはゴクリと唾を飲み込んだ。

「やっぱりな、無償で助けるような優しいやつじゃないもんな。」

ふんっ！失礼な。

でも、今回の取引は重要。

これは絶対譲れないんだ。

「私達の仲間になってほしい。」

マリンちゃんはびっくりした顔をする。

もちろん、片寄くんも。

「おい、冗談だよな！赤石にあんな無茶をさせようっていうのか！？」

片寄くんは私をにらんだ。

「赤石は復活したんだ！そんな赤石をまた傷つけるつもりか。生死が関わる問題だろ！！魔力が使えるからって赤石を巻き込むなよ！！」

泉はスッと目をそらした。

片寄くんの言い分はわかる。

前の私なら同じことを思っていた。

でも、今は違う。

お姉ちゃんが危ない。

人員が足りない。

たくさんの人の手を借りたいんだ。

私がここの人間界のあの小学校に通っている以上、全生徒、教師が危険にさらされている。

魔界人は私を狙っている。

理由は分からないけれど、

私を捕まえるためなら小学校一つ、、、いいや、、、この村を潰すくらい惜しまないだろう。

現に2年前にお姉ちゃんを捕まえるため、、、探し物を探すために多くの犠牲者を出した。

されが繰り返されるのは嫌だ。

一度目はともかく二度目はヤバイだろう。

奴は本気だ。

私は一人しかいない。

お母さん達がいない間になにが起こるか分からない

もし、間に合わなかったら。

「お姉ちゃんのためなら手段は選ばないよ。」

私はあえて隠した。

2年前以上の事件が起こるかもしれない可能性を。

余計に心配させたくなかったんだ。

でも、逆効果だった。

「お前は、自分のためなら友達を軽々と差し出すってことか、、、。」

静かだけど怒りに満ちている声に少し震えた。

男の子の怒りを買ったのは生まれた初めてだったから。

「お前にとってしょせん俺らは生贄程度かよ。」

片寄くんはスッと立ち上がった。

「出てけよ。」

泉は一瞬思考が停止した。

「同盟も解散だ。協力なんかしない。もう、顔も見たくねーよ。」

涙がこぼれそうになるのをぐっとこらえた。

口をついで出そうになる言葉。

しかし、言っちゃダメだ。

言ったら本当に危険に巻き込んでしまう。

それはダメだ。

彼らの生死をやすやすと利用したはならない。

お姉ちゃんは私が見つける。

「分かった。それじゃぁ、マリンちゃんのことはよろしく。学校で待ってるよ。」

わたしは最後にニカッと笑って窓から飛び降りた。

私が守るよ、、、嫌われても、、、あなたを。