報告会2 ページ1
「2年前に起きた事件は農家一軒一軒回って家族めった殺しにする事件なの。そいつは黒い服を着ていた。」
「黒い服は魔界人を象徴するわよね。」
「私はそいつが姉を捕まえるために起こした事件だと思うの。根拠はないけどわたしのカンがそっちを向いてる。」
泉は自分の頭を人差し指でつついて言った。
「なるほどね。」
ラテが腕を組んで考え込むような仕草をする。
「あの、みんな気絶していなかったってどういうこと?」
お母さんが答える。
「そのまんまよ。みんな普通にしてたわ。多分記憶が消えたんだと思う。」
記憶が、、、。
泉はふっと片寄涼太を思い出した。
彼なら、、、。
「片寄涼太って子は?あの子は私とずっと一緒にいたのよ。」
泉が二人に聞くと途端に二人の顔がニヤニヤとし出した。
怪訝に思っていると、ラテが腕をほどいて笑みを深めていく。
「いやぁ、彼すごくイケメンだったねぇ。」
泉は首をかしげる。
なんで今その話をするんだろうと思って。
「すごいリリーの事心配していたのよ?昨日なんか彼のお母さんが迎えにくるまでつきっきりでリリーのそばに居たんだから。」
うそ、、、!?泉は驚きで目を大きく見開く。
「片寄くんが?」
「そうそう。リリーも一体どんな手を使ってあのイケメンくんを落としたのかしら。」
ふふふっと笑うお母さんの目は獲物を得るような目をしていた。
「落とすって、、、、何もしてないし!」
そうよ!別に彼とはそういう方面じゃないんだから
「リリー先輩を見習わなくちゃ。」
ラテがニヤニヤしながら言ったので泉はふてくされた。
「ごめんごめん。彼なら、さっき帰っていったよ。多分目の前で急に倒れてショックだったんじゃない?」
「うぅ、、、復帰したら謝らないと。」
怒られることを想像するとため息が出た。
「それで、あなたはこの件に巻き込まれてどうするつもり?」
お母さんが泉を見ていった。
さっき冗談を言って笑ったとは思えない真剣な表情だった。
だから泉も真剣に答えた。
「そうするもこうするも、根拠を示すわよ。邪魔なものは即排除。」
大臣とか大臣とか大臣とかね。
「リリーは相変わらずだね。人間界で自暴自棄になってると思ってたんだけど肩すかしをくらったな」
ラテが問題児を見る目で泉を見た。
「リリーと付き合ってると嫌なことに巻き込まれそうな予感。、、、まぁ、別にいいけどさ。」
こんのぉ、と拳を突き上げると同時にラテは逃げるように電話を切った。
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ザン(プロフ) - かなとさん» 外しました。 (2019年8月17日 2時) (レス) id: 8e20d05d05 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年8月15日 16時) (レス) id: ba1b78c8bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ザン | 作成日時:2019年8月15日 16時