尋問会2 ページ8
私は言葉を切ってまた話す。
「しかし私にとっては初めて優しく接してくれたのです。友達だと思うこと慰めてもらったと言うことたとえ事実と違ってもそう思っても構いませんでしょうか?」
あまりの無表情に相手はこう思うだろう。
自分の感情を殺している。そして憐れむ。
その隙を見逃さない。
「別に構わない。」
「ありがとうございます。」
「ワトソン、あなたはいつから嫌味を言われていたのですか?」
「入学してふたつき経った頃だと記憶しています。有名な姉の妹と言うだけで公爵家の娘の自分より目立っていて嫉妬でもしたのでしょう。」
メアリーの態度を想像するとつい表情が歪んでしまった。慌てて戻す。
「そうですか。」
「周りの子はあなたに危害を加えていないのになんで危害を加えるのかしら。」
このおっとりした声は、アリス先生か。厄介だな
「危害を加えていなかったら、無罪なのでしょうか。」
今の私の顔は多分無表情ではない。はっきりと歪んでる。先生の顔がその証拠だもん。
「それならば、大変ですね。はっきりとイジメはしていませんのに先生方は周囲でコソコソ笑ってる方々も締め上げるもの。自分の言っていることと行っていることが矛盾していますわね。」
地味に嫌味を言う。
アリス先生の顔が珍しく真っ赤になった。
こんな低レベルな質問するくらいなら性格治しな、と心の中で呟く。
「ですがアリス先生は周囲を締め上げずに褒めますもの、自分の言っていることと矛盾していなくてこの中の先生よりも立派で尊敬します。」
私の副音声をたっぷり含んだ嫌味は周囲にも伝わったのだろう。ざわりとする。
「尊敬されて嬉しくない先生などいないわ。どうもありがとう。」
先生も副音声をつけている。上級の副音声。この頃のリリーには理解できなかたっが感は良かった。
「ヘンリーだ、ワトソン。」
ヘンリー先生の優しい顔が目の前にあった。
「はい。」
「君の魔力を測りたい。」
はい、、、?
キョトンとするのは私だけでなかった。
他の先生方もキョトンとしている。
「ヘンリー先生。それは一体どういうことでしょうか。」
アリス先生がけなすような目でヘンリー先生を睨みあげた。リリーに嫌味を言われた尾が引いているみたいでカリカリとしている。
「アリス先生。私の魔力でワトソンを止めることができなかった。私が本気を出さなければ彼女を気絶させなければ一体あの場はどうなっていたことでしょう。」
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作者名:ザン | 作成日時:2019年8月7日 0時