ラテ ページ6
その後雑談していたら、ラテがハッとしたようにリリーを見つめた。
どうしたのかな?と思っていたら突然リリーの腕を掴んで変なことを言い出した。
「今すぐこの学校から出て遠くに逃げるのよっ!」
は、、、?
リリーは唖然とする。急にラテは何を言い出してるの?
どうして逃げるの?なんかあるの??
「リリー、あなたは魔力の制御が不十分だった。あなたはメアリーの嫌味と周囲の冷ややかな態度に耐えきれず魔力が暴走したのよ。」
え、、、?
「あなたの威圧が周囲の人を苦しめて、メアリーの体がツタで絡まって、とにかく騒然としたの。」
私はなぜか大変なことをしでかしたのにメアリーの強張る顔を覚えていて良かったと思っていた。
「たまたま近くにいたヘンリー先生がリリーの魔力の暴走を止めようとしたけど止まらなくて、それくらいあなたの魔力は強力だったの。」
ヘンリー先生に迷惑かけたなぁ。あとでしっかり謝らないと。
「だから強制的に気絶させて、、、とにかくこんな大騒動を起こしてタダで済むとは思えないの。」
ラテは無表情だったけどとても心配そうな様子だった。私も自分の未来が心配だ。
姉は昔から優秀だったのに私は普通のバカだった
なんでお姉ちゃんみたいな特別な力が私にないの?
五歳の頃の自分の記憶。今は11歳、
まだまだこれからなのに、
「よしっ!逃げよう!カリジアでもフォンミンでもなんでもいい遠い国へ逃げようっ!」
診療所の窓辺に手を置いて逃げようとした時、私の腕をがしりと掴む者がいた。
「逃げるって?」
低く恐ろしい声。
リリーは恐る恐る振り向くとやはりそこにはツタで絡まれて跡が出来ている枯れ果てた令嬢がいた。
*****
「逃げるなら、逃げてみなさいよ。伯爵家の娘メアリーはあなたが私の高貴な体に跡をつけた怨みを持ってどこまでも追いかけますから。」
「お金は余るほどありますもの。鬼ごっこは得意ですのよ?」
不敵な笑みを浮かべるメアリーにリリーは恐怖で動けなかった。
「メアリーがこんなに早く目がさめるとは思わなかったよ。いつ覚ました?」
さっきと違って冷ややかば声でラテは問いかける。
「ついさっきですわ。この気取りや娘がフォンミンとか遠くの国へ逃げるとかおっしゃってたところから聞いておりましたわ。」
ギロリと獲物を睨むような目でリリーを見る。
「そう、でも勝手に動いてると治らないよ。絶対安静にしないと、リリーもね。」
ラテは表情を読み取らせない不機嫌な顔で言った。
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作者名:ザン | 作成日時:2019年8月7日 0時