加藤タイム2 ページ43
本当に加藤さんは何でも知ってるなぁ、と泉は感心した。
「はい、片寄涼太です。相手の女子は天野カレンでした。お母さんが女優の。」
「あぁ、あの天野おばあちゃんのお孫さんね。あの家は色々複雑なんだよなぁ。」
「複雑、、、とは?」
泉の目もキランと光る。
「お、んん、まぁ、わしは口が硬いからたくさん教えられないけどな、あの子のお母さん、、。」
“殺人者だって騒がれたよ”
泉は目を大きく見開く。
殺人者、、、?
「連続殺人事件の容疑者だったのよ。その犯人は未だ分からないまま真相は闇の中。」
「ど、どういう事件なんですか?」
「農家一軒一軒回って家族共々めった殺し。この村にゃ2年前大変だったんだよ。」
2年前、、、?
「黒い服を着た1人の人がどんどん村人を殺していくんだ。わしゃ怖くて怖くて夜も眠れなかったわい」
黒い、、、服、、、だと?
「唯一生き残った若者がいるんだが、それが天野さんのお父さんで。」
カレンのお父さん、、、?
「彼だけは今までの犯行と違っていたらしい。ある農家の家の前で倒れていた。きっと犯人を待ち伏せていたのだろうと警察は考えている。」
「犯人にとっても予想外で慌てて彼を殺して逃げたらしい。それ以来犯行は起きていない。」
泉はゾゾっと背筋が震える。
「不思議なことに彼がやられたところは急所を外れていて命は助かったが、意識不明でまだ眠っている。」
「だから警察はその妻、カレンのお母さんが犯人だと思ったらしいのう。自分の夫を敵に回してしまったってどんな感じだったんじゃろ。」
「まだ、カレンのお母さんが犯人だと決まったわけじゃないでしょ?」
泉は震える体を落ち着かせて笑った。
「そうじゃったのう。長く話し込んでしまった。今の話は水に流してくれ。」
泉は自分が関わらない件には興味が全くなかったので言われなくても翌日にはすっかり忘れていた。
しかし、これは泉、いいや魔界が関わる恐ろしい事件だということにそのうち気づくことになった。
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片寄涼太が登場!
いろんな人が出てきて頭が混乱するので次は自己紹介にします!
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作者名:ザン | 作成日時:2019年8月7日 0時