ウワサ ページ41
やらかしたーっ！
泉はトイレの中で頭を抱えた。
転入初日で口喧嘩して、このままじゃ私の学校生活お先真っ暗だよぉ〜！！
「うう、、、。」
泉がうめくと、女子トイレに誰かが入ってきた。
「うわー、そのヘアピンカワイイ！」
「これ？おばあちゃんが作ってくれたの。昨日誕生日だったから、へへっ。」
「えー！そうなのっ？お誕生日おめでとぉ」
「ありがとぉ。」
泉はとっさに息をひそめる。
「ねぇねぇ、あの話聞いた？」
「話？、、、あぁ、カレンの話でしょ。」
「転入生なかなかやるね、あのカレンを黙らせるなんて。」
うそ！もう広まってる！
「怖いもの知らずだよね。」
「大丈夫かな？その子。カレンが黙っちゃいないだろうし、お先真っ暗じゃん。」
昨日誕生日だった子が心配そうに言った。
「あー、確かユメちゃんカレンにいじめられてたもんね。サイテーだよね。」
泉はドアに耳を押し付ける。
「う、うん。でももう大丈夫。」
「また何かあったら言って！私がやっつけてあげる！」
「ありがと、アユちゃん。」
アユちゃんと言われる子は照れくさそうに笑った。
「転入生の子、本当に大丈夫かな。」
もう一度さっきの子が言った。
「うわさによると、カレンに説教したらしいよ？嫌味はどんな相手でも言えるようにならなくちゃ言っちゃダメとか、見苦しいよとか。」
どこまで知ってんのぉぉぉ
この2人組みーーーっ！
「カレンに説教したくらいなんだから大丈夫でしょ。なんかあったらその時はその時で、ね。」
「そうだね。」
2人はトイレに入っていった。
ドアが閉まる音と同時に開けてそそくさと逃げる。
、、、、ヤバイ、結構、うわさになってる。
今日からおとなしく過ごそう！
3年間、、大人しく、、平和に、、穏やかな、、
「なぁ、」
問題起こさない、、変なことしない、、怒らない
「なぁって。」
説教しない、、関わらない、、頑張る、、頑張れ
「無視してるの？」
肩を掴まれて慌てて意識を戻す。
「、、、、え。」
目の前にいたのは、片寄良太だった。
「あ、、、っと、そこ通る。」
「ダメ、話がある。」
あんたと話す口なんかないよー。
こんなところカレンに見られたら、、、
「あれれ？2人とも偶然だねぇ。」
つり目の美少女、天野カレンがやってきた。
見られたーーー！はい、終わったーーー！！
「わぁ、偶然！？いや、運命？2人は運命の糸によって引き寄せられた！？ウワーオ、ってことで！」
私は2人の間をすり抜けて逃げる。
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作者名：ザン | 作成日時：2019年8月7日 0時
