主人公の日常 ページ31
泉は書斎のような図書室で本を読みふけっていた
部屋は、一面本棚に囲まれていて、本棚にはぎっしりと本が詰まっている。
魔術書、医療書、歴史書、いろいろある。
本を開いてみると、魔族の字で書かれていたり、古語で書かれていたり、羊皮紙にぎっしりと何かが書かれていたり、とリリーには理解不明のものがいっぱいだ。
これをお姉ちゃんは全部読めると知ると驚きで目ん玉が飛び出ちゃうくらいすごい。
この図書室兼書斎は、リビングより広く、豪邸の半分より少ないが結構埋め尽くしている。
中に入ると本の独特な香りがし、淡い電灯で雰囲気も良くデザインや窓の高さや位置にも凝っている。
さすがお姉ちゃんと言える匠な造りだった。
泉が今読んでいるのは森の魔女・魔法使いの呪文集だ。
ブツブツと何かをつぶやいて杖を振りながら読んでいる。
この部屋は、爆発しても、ナイフを持って全ての本を滅多切りにしても元に修復する機能がある。
だから安心して失敗できるのだ!はっはっは!
「一面花だらけにする呪文!?なにそれ、必要あるの。どれどれ?」
泉はコホンと咳払いすると杖を振る。
「フラワー・フール!」
ポンッと一輪の花が杖の先から出てきた。
それだけだ。
「一面じゃないじゃん?」
その呪文の説明欄の1番最後に“範囲を指定すること”と書かれていた。
ふむふむ。
気を取り直してもう一度唱える。
「机一面に花を咲かせよ、フラワー・フール!」
机に向かって杖を一振りすると花々が美しく机の上で咲き誇った。
おぉ、キレイキレイ。
泉は花の辞書を開いて机に咲いている花々を調べた。
これ、、薬にもなるよ?、、、貴重な花もある!?
ブツブツ呟きながら目をランランとさせると、おじいちゃんがいつのまにかとなりに立っていた。
「うわっ、ビックリした!」
ギョッとすると、おじいちゃんは机に咲いている花々を見て興味深そうに観察する。
「ほほう、いい花が咲いているじゃないか。」
「でしょー!これ、便利だね。でも、おかしいなぁ」
泉は首をかしげる。
「こんな呪文があるのに、何でこの花は貴重だって言われてるんだろ。魔法で出せるなら貴重じゃないでしょ?」
おじいちゃんは私が見ていた書物を見て驚きに目を見開いた。
「そりゃそうじゃ、こんな高度な魔法を使えるなんてそうそうおらんじゃろ。貴重で当たり前じゃ。」
おじいちゃんは、それ以上何も言わずその書物を読み続けている。
泉は後片付けをキッチリとした。
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作者名:ザン | 作成日時:2019年8月7日 0時