男の子 ページ30
リリーの家はニホンにある森の奥の中にある大豪邸だった。
これはお姉ちゃんが人間界へのスパイで住んでいた家だそうで、いろいろ改造されている跡があった。
元はこんなデカくなかったみたいでリリー、、、いいや泉はこの目で見て驚いた。
人間が森へ入っても、バレないようにたくさんの魔法がかけられているそうで、森林家以外には見えないみたい。
「はぁぁぁぁ。」
リリーは飼い猫の耳の頭を撫でながら長くため息をつく。
ヒーーーーマ
人間界へ来て2日経った。
魔界へ侵入するって言っても人間界から魔界へ行けますか?って状態だ。
3年待って突入するの?
そんな呑気に待ってられるかって!
あの2人からも何の連絡もないし。
勉強、勉強、勉強でイヤーーーっ!
勉強できないなら何もすることがない。
散策でもしようかなぁ。
リリーがのっそり立ち上がるとミミがリリーを止めた。
はて?
「どうしたの?」
ミミを抱き上げるとミミは「ニャー」と甘ったるい声をあげた。
「ミ、、、、。」
泉はミミの見てる方を振り向くと1人の男の子が網とカゴのようなものを持ってちょうちょを追いかけていた。
「待てー!!こっの!」
男の子を見て面白がるように悠々と舞うちょうちょを必死に追いかけていた。
泉の心臓はバクバク音を立てて鳴っていた。
この家の敷地に入っている限り見えないから大丈夫だけどとてもバレないか不安で仕方がない。
「こーーっら!」
男の子がジャンプしてちょうちょを網の中に入れようとしたらちょうがするりと逃げて男の子の鼻にちょこんと止まった。
ちょう、絶対ドヤ顔してそうと思った矢先
男の子はそのちょうに見とれて盛大にこけた。
「ぎゃふっ!」
泉は咄嗟に目を瞑る。
片目だけ開けると男の子は土まみれだった。
今すぐ清掃の魔法をかけてあげたいけど、魔女だってバレたら、、、、。
泉は見て見ぬ振りをする。
男の子はスクッと立ち上がると少し目から涙がこぼれてた。
でもその顔は、、、、
「笑ってる?」
咄嗟に口に出て慌てて手で口を押さえる。
声は聞こえないことに気づいて胸を撫で下ろした。
「やったぞ!つっかまーえた!」
両手で包んでいるものを籠の中に入れるとちょうではなくバッタだった。
「苦労したぜ、これで自由研究の方は大丈夫だな。」
男の子はニヤリと笑うと私の方へ歩いてきた。
「ひっ、こっち来る!」
男の子は泉の鼻が触れるくらいのところで止まると、「帰ろっと。」と呟いて走ってった。
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作者名:ザン | 作成日時:2019年8月7日 0時