主従関係 ページ27
魔王は正直あんま関わりたくないから、お姉ちゃんの失踪と関係なかったら、、、ないと思うけど、完全無視する。
お姉ちゃんさえ戻ってくれればいいもん
家族もコクリと頷いた。
「なるほどです。」
ヘンリー先生は嬉しそうに顔を綻ばせた。
そしてラテと一緒に立ち上がると膝をつき頭を垂れた。
「リリー様、どうか私の忠誠を受け取ってもらえませんか。」
「お願いします。」
ラテとヘンリー先生が私に向かってそう言った。
「顔をあげなさい、2人の忠誠受けよう。」
家族やヘンリー先生とラテは驚いたまま一瞬フリーズする。リリーもだった。
なぜか口から疑問ではなく受けようという言葉が出た。
受けなければならない直感が口から出た。
受けたからには2人をとことん利用しよう。私は主様なんだから。
「私はもう2人の主様なんだよね？魔石を作れば。」
「あ、はい。私たちの方は作っておいたので魔石作りは後回しでも構いません。」
じゃぁ、人間界に行くし、後回しにしよっと。
「あのね、今から言うことは秘密にしてね。あとちゃんとやるんだよ。」
「話の内容によりますけど。」
ラテは丁寧な言葉遣いで答えた。なんか変な気分、
「私たちね、罰で人間界へ3年間住むことになったの。」
「はぁ！？、、、申し訳ございません。それはミアの失敗を家族に償わせるっていうものですか？」
「はい。あの言葉崩しても良いんだよ。そうしてもらわないと毎回鳥肌が立つ。」
「分かった。」
てっきり主従関係を結んだから言葉を崩すことはできません、というと思ったリリーは肩透かしを食らった。
「んとねーー、私が人間界にいる間魔法界の情報を送って。些細なことでも良いから。」
「分かった。送ろう。そっちも、そっちで頑張るんだぞ？」
ヘンリー先生は心配そうにリリーだけを見た。失礼なっ！最年少だからって大丈夫に決まってんでしょ
その後ヘンリー先生と別れた後、家族に魔石を作れと怒られて3日かけて作り上げた。
＊＊＊＊＊＊
「ヘンリー、本当にリリーに忠誠を誓って良かったの？」
帰り道、ラテがヘンリーに聞いた。
「不安なのか？」
ヘンリーが苦笑する。
「まぁ。」
ラテは曖昧に頷いた。
「前に言ったろ？リリーは使える。」
「その言い方はやめなよ。」
唇を尖らせてラテが言った。
「ん？そうだな、それじゃぁ、リリーは魔法界を変えるカギを握ってる。」
ドヤ顔で言われてもなぁ
「大袈裟すぎ。」
ラテは肩をすくめた。
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作者名：ザン | 作成日時：2019年8月7日 0時
