突然の来訪者 ページ23
人間界への出発は1週間後
ワトソン家は家の片付けで大忙しだった。
「ミミ、いらっしゃい。」
リビングで必要最低限のものを収納の魔法で片付けていた時、飼い猫のミミが現れた。
いつも母屋で大人しくしているのに今日はなぜか言うことを聞かない。
「ミャーミャー。」
そこらへんをウロウロされても困る。リリーはミミを呼んだ。
その時だった。
家の扉が3回叩かれた。
最近、来訪者が多い。その来訪者の半分は最悪な奴、もう半分は村人。
なんかトラウマになりそう、このノック音。
家族全員が扉に注目する中お父さんが開けた。
そこに立っていたのはー。
「ラテ！？、、、ヘンリー先生！？」
リリーは思わずミミの尻尾を踏んでしまって服を破られた。可愛かったのに、、、！
「うん、、、。」
適当な相槌にヘンリー先生がラテの耳を引っ張る
この2人って仲いいのかなぁ？
ラテは不機嫌そうに白衣とスカートの裾を引っ張ってお辞儀をする。
「初めまして、リリーの友達のラテ・アングリューと申します。以後お見知り置きを。」
ラテ・アングリュー、、？アングリューって
ヘンリー先生は帽子を脱いで胸に引き寄せ丁寧にお辞儀する。
「初めまして、ワトソンの実技教師ヘンリー・アングリューと申します。どうぞお見知り置き。」
これは何かの偶然でしょうか！
＊＊＊＊＊＊
お茶を沸かし菓子を出す。
ヘンリー先生とラテは丁寧にカップを持ちゴクリと飲む。
「美味しいですね。」
「飲んだことないね。」
無表情のラテに比べてヘンリー先生は表情豊かに感想を語ってくれた。
「えっと、質問したいこといっぱいある、、、んですけど。」
リリーは口を開く。家族は何も言わずに事の成り行きを見守る。
「いや、そうですよね。私もワトソンに聞きたいことがたくさんありますがいいですか。」
ヘンリー先生は真顔になる。場に緊張した空気が流れる。
リリーはコクリと頷いた。
「ワトソンの姉ミアは亡くなったのでしょうか。」
家族に大きな雷が落ちた。
「、、、、なぜ知ってるんですか。」
リリーはキッとヘンリー先生を睨む。この件は任務自体が極秘だったため私達の罪や姉に関しては他言無用になっているはずだ。それに関わらず、、、
「リリー、警戒しないで。私達は知ってても当たり前なのよ。」
ラテが気まずそうに言った。知ってても当たり前？
まさか、、、
「大臣のスパイなの？？あなた、魔法省の関係者なのっ！！」
やめて、頷かないで！
大臣のスパイとかだったら友達を辞めるかもしれない。
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作者名：ザン | 作成日時：2019年8月7日 0時
