恐ろしい出来事 ページ17
ラテの体がドクンと脈を打ったような感覚に襲われた。体が麻痺して頭痛が起こる。バケツに向かって倒れた。
ガッシャーン
水を丸ごと被ってしまったが頭痛の痛みがどんどん酷くなる。
「キャーッ、ラテ！？」
リリーの真っ青で強張る顔がボケて見えた。
最近リリーをたくさん困らせて驚かせた。
申し訳ないと思う。
「ぐっ、、、！！？？」
腹に突き刺さるような痛みを感じた。
すると脳裏に主の顔と魔王の顔がうつった。魔王が主に手を伸ばして、、、、。
プツン、何かが切れる音がした。
そんな、、、主様、、、ウソでしょ？
ラテはそのまま意識を失った。
ウソでしょ、、、という言葉を残して。
＊＊＊＊＊
ラテが目を瞑って動かない様子を見てリリーは恐怖で倒れそうになった。
死んだの？い、、、息を確かめないと。
口に耳を近づける。
何も聞こえないよ、、、？
震える手で脈を図ろうとする。
脈ってどこ？？ラテ、、、そんな、、、なんで、
「失礼する。」
背の高い女の先生が入ってきた。髪を高く結んでいて男の人のような顔、白衣を着ていた。
「先生、、、！！ら、、ラテが急に倒れて、、、私どうしたらいいのか、、！」
頭が混乱して早く助けて欲しくて、きちんと説明ができなかった。
「落ち着け。ラテは死んではいない。」
脈を図った先生はリリーの肩を掴む。
無表情で無愛想な顔がラテと重なり涙がどんどんこぼれ落ちた。
大好きな友達をなくすかと思って怖かったよ、、、
「急に倒れたのか？」
「は、、い。」
怖い、
突然医療室の窓がカツンカツンと叩かれた。
見ると赤い封筒が窓を叩いている。
その封筒を見て先生の顔が強張った。
「赤い、、、封筒？」
先生は素早く立ち上がり窓を開けて封筒を掴む。
その封筒に書かれてる送り先を見て先生が切なそうにまつげを伏せた。
「リリー・ワトソンは君のことか。」
「えっと、はい。」
先生がその封筒を私に渡す。
私宛の封筒？恐る恐る開けてみる。
なぜか開けたくなかった。開けたら何かが起こる。
そう思ったけれど開けてしまった。
そして見てしまった。
“親愛なるリリー・ワトソン様
残念ながら、ミア・ワトソン様は約束時刻の時間を2時間も過ぎても帰ってきませんでした。
よって、任務失敗およびの罪でその家族を3年間人間界へ過ごす罰を与える。
ミア・ワトソンは死亡したものと見ます”
リリーは手紙を握りしめたまま意識を失った。
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作者名：ザン | 作成日時：2019年8月7日 0時
