美女と美男子 ページ2
「そんな熱心なワトソンに一つ質問しましょう。」
私は体の熱が急に冷えたような気がした。
「魔法省の人間界部に所属している天才中の天才だと言われている全属性を持つ方の名前は?」
私はバッと教科書を凝視する。
さっきパラパラって呼んでたけどそんな内容あったっけ???
頭がグルグルと回転する。
「、、、、ドナルド・アングリュー、さん。」
アリス先生の笑みが深まる。
「熱心に書き込んでいらっしゃった割には頭は理解していないようですね。」
つまり不正解ということだ。
周りの笑い声が大きくなっていることに気づく。
アリス先生は生徒全員を見回して憎たらしい笑みを浮かべる。
「皆さん、ドナルド・アングリューはどんな方かご存知かしら?」
「アリア・マクラミン?」
アリス先生が1番前の席に座る少女を呼んだ。
その名前を聞いて、リリーは歯をくいしばる。
同じ属性の森の見習い魔女、アリア。
花の妖精のような美貌とオーラに薄い菫色の髪と瞳
彼女の甘い声と甘い花の香りは全ての人を惹きつけると言われていて、一部の女子からは人の彼氏を奪うネコババ女と言われている。
けれども、とても純粋で真面目で、リリーと違って実力もあって成績も全てにおいて高いアリアは学校三代美女の一人でみんなから慕われたいた。もちろん先生からも。
リリーはアリアが嫌いだった。
憎たらしくて、羨ましくて、
「はい、先生。」
アリアはその顔に笑みを浮かべる。
「ドナルド・アングリューは魔法省研究部に所属していて、攻撃魔法の研究で魔法界に貢献した方です。」
教科書通りの完璧な回答だった。
周りも感心したようにアリアを見る。
「素晴らしい、大正解です。よくお勉強してますね。さて、ワトソン、ドナルドはどういう人物か記憶に刻みましたか?」
「はい。」
歯を食いしばって答える。
「ジョーン・フォード、なら人間界部に所属している天才中の天才は?」
ジョーンはいつもの爽やかな表情で答える。
「アレックス・ダレンデス。」
ジョーンはアリアの好きな人で学校一のイケメン。
魔族(魔法界の中で歴史ある魔法使いや魔女の族)の人で、魔法界の魔族だけが分かる言葉で喋っているから普通の人間界の言葉は言いにくいらしい。
「そうです!ワトソン、アレックスですよ?ドナルドと間違えないでくださいね。」
私に戻さないでよ、、、リリーは顔を真っ赤にして俯いた。
「さっき習ったばっかりなんだから覚えていないといけないでしょ、、、、ワトソン?」
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作者名:ザン | 作成日時:2019年8月7日 0時