人間界 ページ1
魔法界に住む者ならば、憧れることがある世界
“人間界”
しかし、その世界へ行こうとするものはおらず、行けても実力が低いものには苦労が絶えないそんな生活を送ることになる。
魔法省教育はある指令を出す。
「実力ある者、優秀な者を各校から一名人間界へ研修に行ってもらう。」
中等部、高等部、社会へ出た大人達、その中の優秀な者を人間界へ送り込み魔法界と人間界の隔てりを失くそうという制度だ。
大人は、魔法省に勤める各部署から優秀でかついなくなっても大丈夫な人材を1人送り出す事になる。
その制度は最初は皆に反対されたが、結果を見ると素晴らしい業績を残していた。
人間界は、魔法を使わずとも電気を作り様々な役立つ生活用品やら物語やらを生み出している。
私達魔法使いは魔法が使えるからと努力を怠っていた。
人間界の技術を見習い魔法の節約をし、沢山の魔法使いが努力しようとすれば、魔法界を長く存続することができるであろう。
魔法省生活部と魔法研究部、魔法取締部はこの制度を改善し、魔法省に新たな部署を作った。
“魔法省人間界研究部”
トップの者しか入ることができない部署。
所属する条件が多く、その全てが揃う人物は希少価値がある。天才しかいない部署、天才以外受け付けない。
この部署誕生から制度は無くなり、教育では、教材や授業が難しく複雑なものになった。
チッ、人間界がなんとかこうとかそんなんどーでもいいし。なんで授業を複雑で難しいものにするのよ
魔法学校初等部、属性は緑、森の見習い魔女のリリー・ワトソンは歴史の教科書の内容を読んで顔をしかめる。
今は歴史の授業。そんなの将来の何に役に立つのよ、と思う授業だ。
地理は、一歩譲って必要だと思う。地形とか大事じゃん。
でもさー、歴史はないでしょ!歴史を研究する人なら必要かもだけど、私は森の見習い魔女なのよ!!
将来は魔法省の自然・森林保安部に属して自然を守るんだから!!!
自然の神さま、アンドリューズのために!
こんな授業より実戦授業とか薬草授業とか、調合の授業の方が大事でしょ!
一人でウンウンと頷いていると、歴史の先生、アリス先生が突然私の名前を呼んだ。
「リリー・ワトソン」
呼ばれた私はどきりとした。
「は、はい!」
落書きする手を止めて顔を上げる。
アリス先生は優しいたおやかな声で話す。
「随分と熱心に教科書に書き込みをしていましたね」
周りの子がクスクスと笑う。
私はカァァァと顔が熱くなる。
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作者名:ザン | 作成日時:2019年8月7日 0時