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10月 ページ7

僕の姉さんはもうすぐ死ぬ




「今日は何の日でしょう!!」




「ハロウィンだろ・・・嫌だよ。」




「・・・!!まだ、何も言っていないわよ!」




「どうせ、仮装しよ〜とかいうんだろ。」




「ふふっ、半分正解ね。」




僕が首をかしげると、姉さんはにやりと笑った。




「仮装してお家を回るの。」




「・・・・冗談だろ。」




「ガチ。」


ーーーーーー




「トリックオアトリート!お菓子をくれなきゃ、悪戯するぞぉ〜!」




地域の催しにたまには参加しなくちゃ、と僕を引き連れて




今各家を回っている。




たくさんの家を回って、誰よりも多くお菓子を集めよ、というくだらない催し。




年齢層絶対低いだろ、と思ったけれど




僕の友達少人数だけどいたのには普通に驚いた。




「あらら、可愛い魔女とドラキュラさんですこと。」




お婆さんは僕らの手のひら一杯に、お菓子を入れた。




「あんがと、鈴木さん!」




このお婆さんと姉さんは知り合いみたい。




「この子、私の可愛いむす「何でもないっす!」」




姉さんを睨むと、姉さんはおどけて笑った。




ーーーーー




「姉さんって、どんだけ知り合いいるんだよ。。」




高齢者から赤ちゃんまで、人間から犬や猫まで。




姉さんを知らない人なんてこの世に居ないみたいだ。




「ふふっ、、今日はミッションクリアだねっ!」




「は?」




「んーんーこっちの話だよん。」




勝ち誇ったように笑う姉さん。




なんか癪だった。




「そういえば、ドラキュラの仮装カッコよかったよ!」




突然そう言うので、こけそうになった。




またあの勝ち誇ったような笑み。




「・・・・・魔女もまぁまぁ似合ってぃ・・・ぅ」




姉さんがお菓子を落とした。




僕は顔をそらす。




あの驚いた顔は、なかなかの見ものだったと思う。








 





 








姉さんが死ぬまであと6ヶ月

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設定タグ:感動 , 姉弟   
作品ジャンル:泣ける話, オリジナル作品
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獣嚶(プロフ) - もう…文才というか…何というか…情景がすぐ頭に浮かんで来るような、素敵な作品でした!あれ…?目から汗が… (2020年6月7日 17時) (レス) id: 258d7d697d (このIDを非表示/違反報告)
紗奈# - すごく心が動きました。弟とお姉さんの関係がすごくいきいきしていて、素敵です。素晴らしい作品をありがとうございました。別作品も読ませていただきます! (2020年6月7日 16時) (レス) id: 5b3e3a5457 (このIDを非表示/違反報告)
本の虫(プロフ) - 翡翠琥珀@サブさん» うわ〜!とても嬉しいです。。伝わってます、嬉しいくらい伝わってます!もう、キスしていいですか?(殴)すみません、ありがとうございます!!!! (2020年4月27日 10時) (レス) id: 0e28084fa3 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠琥珀@サブ - うわ〜、読み終わったあとの何とも言えない感じがやばい。めっちゃ感動しました。もう、なんか、あの…感動しました。(語彙力ぜろでごめんなさい笑)切ないよ〜ってなってます。はい。最高でした。 (2020年4月27日 2時) (レス) id: 387b2ce801 (このIDを非表示/違反報告)
本の虫(プロフ) - 蒼炎さん» 一番!?!?(!?!?)やった!!(笑)すみません、ありがとうございます!! (2020年4月26日 21時) (レス) id: 0e28084fa3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:本の虫 | 作成日時:2020年3月10日 17時

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