8月 ページ5
僕の姉さんはもうすぐ死ぬ
今日は友達とお祭りに来ている。
「お前の姉さんってさ、可愛いよな。」
たこ焼きを食べていたら突然友達がそう呟いた。
「そうかもな。僕に似ているから。」
「なんじゃそりゃｗｗｗ」
だらだらお店を回って、射的などをした後、また友達がぽろっと呟いた。
「お前の姉さん絶対彼氏いるよな。」
「そうかもな。」
そっか、そうだよな。
でももし彼氏がいたらそいつ可哀想だな。
だって、もう一生一緒にいられないんだから。
・
・
そっか、もう一生一緒に居られないのか。
「あれ、あれって、お前の姉さんじゃね？」
花柄の着物を着た見覚えのある後姿、確かに姉さんだ。
「じゃ、隣にいるのやっぱ彼氏？」
姉さんが好きそうなタイプのイケメンの男の人が隣にいた。
僕は無言で視線を逸らす。あれが姉さんの彼氏か、と思った。
・
花火が始まった。
僕らはかき氷を食いながら花火を眺める。
今頃、姉さんは彼氏と・・・
「悪い、僕トイレ行ってくる。」
「おう、早く戻って来いよ。」
分かった、と言って屋台から離れて神社へ向かう。
何故だか、ここに行きたくなった。
「あっれれ？私の可愛い息子は花火を見ないの？」
突然の姉さん登場にかき氷を落としてしまった。
「うわぁもったいｎ「なんで？彼氏は？」」
きょとんとする姉さん。
「あぁ、あの人？あの人はただの友達。つか、彼女いるし。」
え・・・？彼氏じゃない、だと？
呆ける僕をおかしそうに笑う姉。
「そだ、神社からも花火見れるよ。」
まだ呆けてる僕の腕を掴んで姉さんは階段を駆け上った。
ひゅーーーー・・・・ドンッ！！
夜空に広がる満開の花。
さっきまでモノクロのようだった空が今では鮮やかに輝いている。
「綺麗だねぇ。」
姉さんを見ると、花火の光に照らされて、それがまた綺麗で・・・
「姉さん・・・」
姉さんがこちらを振り返った。
姉さんが死ぬまであと8ヶ月
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獣嚶(プロフ) - もう…文才というか…何というか…情景がすぐ頭に浮かんで来るような、素敵な作品でした！あれ…？目から汗が… (2020年6月7日 17時) (
レス) id: 258d7d697d (このIDを非表示/違反報告)
紗奈# - すごく心が動きました。弟とお姉さんの関係がすごくいきいきしていて、素敵です。素晴らしい作品をありがとうございました。別作品も読ませていただきます！ (2020年6月7日 16時) (レス) id: 5b3e3a5457 (このIDを非表示/違反報告)
本の虫(プロフ) - 翡翠琥珀＠サブさん» うわ〜！とても嬉しいです。。伝わってます、嬉しいくらい伝わってます！もう、キスしていいですか？（殴）すみません、ありがとうございます！！！！ (2020年4月27日 10時) (レス) id: 0e28084fa3 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠琥珀＠サブ - うわ〜、読み終わったあとの何とも言えない感じがやばい。めっちゃ感動しました。もう、なんか、あの…感動しました。(語彙力ぜろでごめんなさい笑)切ないよ〜ってなってます。はい。最高でした。 (2020年4月27日 2時) (レス) id: 387b2ce801 (このIDを非表示/違反報告)
本の虫(プロフ) - 蒼炎さん» 一番！？！？（！？！？）やった！！（笑）すみません、ありがとうございます！！ (2020年4月26日 21時) (レス) id: 0e28084fa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：本の虫 | 作成日時：2020年3月10日 17時
