15 ページ29
「いやーすごく盛り上がりましたね、男子の部は。」
「そうだね。今度は女子の部だけど、どんなお題を引いて何をゴールに持ってきてくれるのか、楽しみだね。」
「少なくとも、恋愛関連のお題で先輩を連れて行くマニアックな女の子はこの中にはいなさそうですけどね。」
「何?君、口を開けば俺の悪口しか出てこない訳?」
「いやー、実はもう村田先輩の恋事情をネタにするのに飽きたんですよね。だって、先輩何にもないですもん。だから、いつもこんなんなんですね。」
「こんなんってなんだよ。こんなんって。」
「それでは!借り物競争女子の部!!開始します!!校長先生お願いします。」
放送部員とOBの漫才が定着いて、皆が爆笑の渦に包まれている中、急に開始の指令が出て慌てて気を引き締める選手達とその他一同。
『緊張するとかえって冷静になるっていうけど、冷静になってない私って今緊張してないってこと?』
「キャパオーバーしていないんだよ。」
校長先生がピストルを片手に持って空高く掲げた。
そして、一同が静まる中、、、、、ピー――ッという笛の音が運動場に放たれた。
いや、笛なんかい。
ツッコミ半分戸惑い半分でスタートが若干遅れる選手達。
ええーい、邪魔だ邪魔だ退け退けええい。なんて言えず集団の中心で控えめに走るクラス代表。情けない。そろそろ本気出そう、ってところで急に疲れてきた。もう体力はキャパオーバー、なんつって。
「Aが何を考えているのか手に取るように分かる。」
『わっ!禰豆子!』
「取り敢えずここは暑苦しいから、外出よ?」
『でもどうやって・・・あ!』
「後ろ。ついてきて。」
『助かります。』
私がそう言った直後、ぐんっ禰豆子がギアを上げていった。
『わっ・・おー・・・』
「・・・」
見えない風が禰豆子にかき分けられて、選手達を押しやりながら私の横を通り過ぎていった。
禰豆子の後ろにピッタリ張り付いている私は、いつの間にか私達用の道が出来ている事に気づく。
禰豆子が足が速いって事は昔から知ってたし、一緒に走るときはいつもこうやって助けられていたけど、まさか病み上がりでこのレベルの速さで走れるとは正直思っていなかった。
「A、ボックス。」
『・・・・・・・・って、はっっっや!』
振り返ってみると、後ろの人達がありんこだった(大袈裟)
45人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
栗きんとん - この作品に出会えて良かった。タカヒロ様、尊敬しかないです。更新楽しみにしてます。 (2021年3月24日 20時) (レス) id: e9d4725bf6 (このIDを非表示/違反報告)
ピエロ - 作者様の考え方が全ての登場人物に影響されていてみんな賢そうに見える。口勝負では負けそうですwww善逸のバレンタイン理論は共感しかないww僕も来年のバレンタイン頑張ろうと思います。 (2021年3月24日 20時) (レス) id: 0c0f9836af (このIDを非表示/違反報告)
烏 - 作者様は時透無一郎ツン理解していらっしゃる。私の大好きな時透くんがまんま再現されていて凄く嬉しいです。主人公がどうなっても自分得すぎる。むいたんもありだから笑これからも頑張ってください (2021年3月24日 20時) (レス) id: 7966fe5cdc (このIDを非表示/違反報告)
豚の鰭 - やばいとしかいえませんもっと評価されるべき作品です!こんな才能溢れる作品に出会えて凄く嬉しいです!!!更新楽しみにしてます頑張ってください!! (2021年3月24日 20時) (レス) id: 6d88d44dde (このIDを非表示/違反報告)
タカヒロ(プロフ) - 本の虫さん» 感想読みました。とても嬉しかったです。ありがとうございます。本の虫様の作品は昨年辺りから読んでいましたが、多種多様な作品で全く被ることのないストーリー性に驚きました。本の虫様の発想力を見習いたいです。ふつつかものですがこれからもよろしくお願いします (2021年3月24日 16時) (レス) id: 0e28084fa3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:タカヒロ | 作成日時:2021年3月12日 11時