時透くん、邪魔しないで！【鬼滅学園】

＃体育祭　01 ページ14

　
＊体育祭＊


　

　

＿＿もしもだよ、貴方が彼女を好きにならないでいたら、貴方は幸せになれたと思う？

　





　

　



　


　



　


＿＿いいや。思わない。


　
　







＿＿どうして？だって、あの子は貴方に対してこれぽっちも恋愛感情を抱いていないじゃない。どうして貴方はそう言い切れるの？
　

　


　


　



＿＿俺は、彼女を好きでいれること、それだけで幸せなんだ。理解されなくたっていい。たとえ彼女の幸せの中で俺がいなくたって、彼女が生きている事が、楽しそうに笑えている事が、俺の幸せだから。そう思えるのは俺が彼女を好きだからだろ？つまりそういうこと。

　

　




　



　



　



＿＿一途だね。




　



　






　

　

＿＿はは。溺れたら、もう抜け出せないよ。抜け出したとしても、もう一度溺れてみたくなる。それくらい甘くて優しくて癖になるんだ。

　

　

　

そう言う、彼の瞳の中には終期まで彼女の姿が映っていた。

　


　


　


　

　






成就する事のない彼の恋はその後、彼女の死と共に泡のように消え去ってしまう。
しかし、彼は彼女と一緒に旅立てることに喜びを感じていた。

　

　

＿＿来世では、絶対に俺が彼女を幸せにするんだ。

　


＿＿彼女が貴方を好きになるか分からないのに？


　

＿＿彼女が俺を選ばなくても別にいい。来世こそ、恐怖で怯えることのない、幸せな世界を彼女にみせてあげたいんだ。こんな、、野垂れ死ぬ事のない理不尽な世界で。美味しいご飯にふかふかのベッド、愛情を注いでくれるあたたかな家族と友達に囲まれた、素晴らしい世界で。


　

彼にしては珍しく理想論を話して、そして眠るように彼女の横に倒れた。



　



　


　


　




ただ一人、私を残して。


　


　

　


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