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中島 side
9 「っ！A、あぶな、」
早い打球で跳ねたバウンドが丁度、セカンドベースとファーストベースを直線で結んだ中点あたりに飛んできた。
前に出ていたAが意外に早い打球を判断して、
半歩後ろに下がったその時だった。
向こうから走ってきてたランナーと衝突した。
がつん、本当にそんな感じだ。
半歩下がってショートバウンドでボールを捕球したAはファースト方向に半身で、
丁度そこで、Aの後ろを通ろうとしていたランナーの柳田さんと接触。
ボールはグローブに入っていたものの、Aは柳田さんの加速の勢いと体格の格差に、
吹っ飛んだ。
96「くっ、」
飛ばされた瞬間に、左手の中にあったボールは右手に持ち替えられ、
96「卓さんっ！」
9「！！！」
そばにいた俺の名前を呼んで、ボールを上に上げた。
セカンドベースの向こうまで走り、Aのトスを受け取って、一塁に転送。
俺の送球に柳田さんはしゃがみこみ、
とりあえずゲッツーが完成する。
いつもならピッチャーがホッとして、内野もボールを回して、てとこやけど、
Aが体を起こさないことに、フィールド内もベンチも、どよめく。
9「A！A！」
96「、っ」
Sh9「………A、」
柳田さんも混乱していて、
ベンチからトレーナーさんとコーチが走って来る。
「Aー？大丈夫かー？」
「Aちゃん、体起こすのやめとこうか、仰向けになって。そのままね、」
7「A、」
「交代しようか、」
「そうですね、一応病院に、」
がし、とコーチのシャツを掴んで、
96「…………いけます、大丈夫です、」
「A、」
96「やらせてください。お願いします。」
「…………視界がぐらつく様子はある？」
96「いや、ないです。」
「痛いところは？」
96「ぶつかったところが少し、」
「動けないほど痛いところは？」
96「今のところないです、」
「頭を打ったわけではないので、
病院もすぐにというわけではありませんし、
本人が大丈夫であれば、問題ないと思います。」
「A、いけるか？」
96「もちろんです、」
にや、とコーチの顔を見て笑う。
7「A、笑ツーアウト、」
遥輝がAの腕を引っ張って笑う。
96「よっしゃ、ツーアウト！」
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らい - いつも楽しく読ませて頂いてます。
続き楽しみにしています。
えがおの理由も大好きです。 (2018年7月2日 19時) (携帯から) (
レス) id: 2b97e5f6a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃央 | 作成日時：2018年6月29日 13時
